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扇谷家の不思議な家じまい 表紙

扇谷家の不思議な家じまい

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刊行日 2025/05/19 | 掲載終了日 未設定

ハッシュタグ:#扇谷家の不思議な家じまい #NetGalleyJP


内容紹介

地方都市・天島市で造船業を営んできた地元の大家である扇谷家。

屋敷の大掃除の最中、予言の能力を駆使して一族を繁栄させたおばあさまの手帳が見つかった。

手帳によると、どうやらおばあさまは100歳となる今年逝去するらしい。

一族が集まり、家じまいをすることになるのだが、本家の娘・立夏には気になることがあった。

それは認知症になって以来、おばあさまが繰り返していた「桜の木の下に死体を埋めた」という言葉と、

「言葉なき者の声を聞く超能力」を持つ立夏だけは、それが事実だと知っていることだった……。

超能力一家の不思議な家じまいを通じて、さまざまな家族の在り方を描きだす1冊!


(著者プロフィール)

実石沙枝子(ジツイシサエコ)

第16回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞した『きみが忘れた世界のおわり』で2022年デビュー。著作に『物語を継ぐ者は』『17歳のサリーダ』。

地方都市・天島市で造船業を営んできた地元の大家である扇谷家。

屋敷の大掃除の最中、予言の能力を駆使して一族を繁栄させたおばあさまの手帳が見つかった。

手帳によると、どうやらおばあさまは100歳となる今年逝去するらしい。

一族が集まり、家じまいをすることになるのだが、本家の娘・立夏には気になることがあった。

それは認知症になって以来、おばあさまが繰り返していた「桜の木の下に死体を埋めた」とい...


出版社からの備考・コメント

※発売前作品のため、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
※書影は仮のものです。
※ゲラは校了の前のデータにつき、修正が入る可能性がございます。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784575248203
本体価格 ¥1,800 (JPY)
ページ数 240

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

女性が不思議な力を持つ事を隠してきた扇谷家の家じまい。戦前から現代までの各世代の考え方と生き方、関わり方が時をシャッフルして語られる。それを脳裏で一本の線に並べられた時、思わず涙ぐんでいた。
正に特殊設定あっての文芸書。

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女性には不思議な能力が一つだけ具わる一族の物語、となると活劇を連想しがちかだが、本作は違った。その能力以外はごく普通の、迷い悩み懸命にいきる女性達だった。また、能力を持たない男性達も子を持つ時の運命に向き合わなければならなかった。そんな扇谷家の〝家族〟の各世代の様子やその想いが、落ち着いた語り口で、更に時を前後しながら丹念に綴られていく。その様子に思わず読み入った。

まずは、扇谷家の娘として生まれた事への複雑な思い。
千里眼をもつだけに、恵美子の〝扇谷家〟と言う名の檻の辛さが痛いほど伝わってくる。そして、揺れ動くと時子が言う未来を、意思に反した結婚を[幸せ]へと固定しようとする意思。彼女のその決心の強さ故によけいに寂しく苦しく感じられた。
そして、その恵美子の最後の希望が潰えた瞬間の表情。それを想像することは不謹慎すぎて読みながら自らを抑えたほどだった。

次の世代である、羽矢彦の恋人の紗奈や美雲の強さ。現代的な強さを秘めた世代が、〝扇谷家〟をどう変えていくのか。その様が、断片のように挿入されていく。それは「家じまい」に向けての前奏曲なのか。

一方、1945年に時子が書いた手紙。意思に反して予知通りに自ら行動せざるをえなかった彼女。それだけでも辛すぎるはずなのに、それを包み隠さず未来の夫に手紙で明かす彼女。その心情たるや。この力で一番苦しんだのは時子なのだろう。だからこそ、事あるごとに「これから起きることの中には、決まったものとまだ揺れ動いているものがある」と言うのか。そして、いつも優しく手を差し伸べてくれるのか。

時子の死により、彼女を最年長とした〝家族〟の変遷をアルバム越しに見る立夏。とうとう彼女が見つけた「地縛霊」の名前。
そして時が前後して描かれる中で、戦前に時子の予言を聞いた豊の誓いがやっと果たされたのだとわかった時、彼の想いのあまり強さに言葉もなかった。

そして、時子の死の翌年、とうとう〝家じまい〟が始まる。それは、100年間この〝家族〟を見守ってきた時子とこの家だけでなく、様々なものとの別れ。だから、綺麗な「扇谷家らしい不思議」が起きても〝不思議〟ではないはず。そして、飛び立つ小鳥が2羽いたことも、また。

時子や美雲のような予言者とは別に、時をシャッフルして語られる〝家族〟の物語を結びつけることで、その様子をずっと見守り続けた者がいる。
そう、それは読者。読み終わり、それを自覚した時、思わず涙が溢れてきた。

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超能力一族に生まれた人たちの人生を振り返りながら、今現在の家じまいに繋がっていくストーリー。
一族の決まりに逆らえない時代から、個人の自由な道を選んでいける時代になってよかったなと思う反面、こうやって一族が終わってゆくんだという切なさも…でも、家族のかたちはたくさんあっていいし、変わっていくもの。桜の木の下に埋まっている死体の謎とも繋がっているようで、安心しました。
そして、扇谷家をいろんな立場の登場人物たちの視点で読みながら、移りゆく時代を生きる人々の儚さと、その中にあるたくさんの輝きにうるっとしてしまいました。
すごく綺麗な家じまいのラストも、すごく良かったです。
おもしろい作品を読ませてただき、ありがとうございました!

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「桜の木の下に死体を埋めた」という扇谷家のおばあさま。果たして死体埋まっているのだろうか。それが真実かどうか知るのは言葉なき者の声を聞く超能力を持つ立夏だけだ。
扇谷家に生まれた女性には特別な能力が宿るという。
おばあさまの予言の手帳によると、逝去する日付まで記されている。
一族が集まり扇谷家の家じまいが始まる。

時代を行き来しながら語られる扇谷家の家族の物語。
運命に抗おうとしても超能力のある扇谷家の女性たちには見えてしまうのだ。それは幸せなことなのか、それとも不幸なことなのか。超能力という特殊設定でありながら根底に感じるのは人を大切に思う心だ。

「すっかり決まったものと、まだ揺れ動いているものがあるの」
超能力はなくても自分の今までの生き方で作ってきた軌跡辿ると、これは定められた運命だったのではないだろうかと思うほどの出会いをしたことがある人はいるだろう。
だがこの先の未来はまだ定まっていない。揺れ動いている未来を引き寄せるのも自分の行い次第だ。
扇谷家の家じまいで語られる家族の物語は、誰をも否定しない愛と優しさで満ちていた。

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女性にだけ千里眼、未来予知、声なきものの声を聞くなどの不思議な力が遺伝されるおうちのお話。こんな風に、不思議な力を持ちながらそれを隠して生活している女性たちがほんとにいるんじゃないかと思うようなリアリティがありました。コロナ禍で出産の立ち会いができない時に、千里眼で遠隔立ち会いをしているエピソードがおもしろくて印象深いです!特殊な能力があるが故に、結婚が制限されるなど家への恨みがつのっていく内容でありながら、美しい文章で懸命に生きる女性の芯の強さが感じられてよかったです。

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壮大なストーリー。時代も章ごとに変わっていく。
時々、誰が誰の子どもだっけ?と分からなくなり、家系図が欲しいなと思ったけれど、最後まで読み終えた時は、そんな親戚関係の複雑さは置いておいて、涙が出そうになった。
代々女性に受け継がれてしまう能力ゆえに、女性たちは(そして結婚後に女子が生まれるかもしれない男性たちも)苦しい思いを生きてしまう扇谷家とその親族たち。みな、その人物を主人公に据えれば、その気持ちがよく分かってしまう、切なくやりきれない想いを抱いて生きていた。
そして、最後になくなってしまうおばあさま・時子さん。彼女が夫と豊との3人の関係がいいなと思った。
3人で生きていく戦後の社会も、見てみたかった。

とはいえ、切ないだけではなく、女たちは、逞しかったりもする。
運命だからと諦める選択肢よりも、彼女たちには、絶対に幸せになると決めて生きる強さがあって、その強さが時には家族にうるさがられたりはするけれど、その強さが好ましかった。

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扇谷家の人々の現代・過去・未来。私は知っている。おばあさまの家の桜の木に死体がうまっている。亡き祖父のあとの一家の主は施設におりただ予言帳をみることの出来る私は一族のピンチをギリギリになり救っていく。不思議な家じまいはどう展開していくのだろうか。我々は物語を通じて家族や親戚なりの人生を感じる。こんな感じの日本がなつかしい。ひとは生きている限りひとと関っていく。家じまいは終わりではない。スタートなのだ。

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超能力なんて非現実的なのに、実際にこういう一族がいるかもしれないという描写の数々がとても面白かったです。
女に生まれると超能力のせいで一生後悔をし続けたり、男に生まれたとしても超能力を持った子供が生まれるかもしれないという不安があったり、超能力は厄介なものだと思う。生き方だったり、結婚相手も制限される扇谷家自体がすでに末代まで呪われているといっても過言ではないのかもしれない。
扇谷家の人たちが自由で幸せになれますようにと願う気持ちになりました。

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