
この味もまたいつか恋しくなる
燃え殻
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2025/04/25 | 掲載終了日 2025/04/30
ハッシュタグ:#この味もまたいつか恋しくなる #NetGalleyJP
内容紹介
ある料理を口にすると、どうしようもなく思い出してしまう
あの日、あの人を描く。グルメじゃない僕にとって、恋しくなる味のお話。
恋しくなる味が「美食」とは限らない。
コンビニで買える缶詰やアイスかもしれないし、あるいは、インスタントラーメンや駄菓子かもしれない。
過去のある日、あの人と食べたもの、酌み交わしたお酒が、その後も時折思い出してしまう恋しい味に変わっていく。
あなたにとっての〝恋しくなる味〟は、なんですか?
複雑な関係の彼女との最後の朝食/電話越しにジャンボモナカを一緒に食べた友人/冷えてチーズが固まったピザトーストを片手に、初めて見た母の涙……
様々な味の記憶と、その食べ物から思い出されたちょっぴり切ない物語を展開。
※公開原稿は一部抜粋版です。全編は発売後の本でお楽しみください※
【著者プロフィール】
燃え殻さん:1973(昭和48)年、神奈川県横浜市生まれ。2017(平成29)年、『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー。同作はNetflixで映画化、エッセイ集『すべて忘れてしまうから』はDisney+とテレビ東京でドラマ化され、映像化、舞台化が相次ぐ。著書は小説『これはただの夏』、エッセイ集『それでも日々はつづくから』『ブルーハワイ』『夢に迷ってタクシーを呼んだ』など多数。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784391164305 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 240 |
関連リンク
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー

内向的な面がありつつ、たくさんの人と関わりいろんな土地へ行き、それらの出来事を大袈裟にすることもなく、どこか洒落た文章にしてしまう。そんな燃え殻さんのエッセイが大好きで、こちらもすぐに読ませていただきました。ネットギャリーで見られるのは三十ページほどでしたが、最初のマスターの話が染みました。発売されたら続きも読みたいです。

いいじゃないか。さっきまでサザン聞いていたのにお客さんが来たからジャズに変えても
ありじゃないか。メモ機能以上恋人以下の男女の関係
結局さ 誰と食べるかじゃないの
村上春樹に憧れているのに「風の歌を聴け」しか読んだことないとか
新宿でイチャイチャしているカップルに別の場所にいるのに着目しちゃったりとか
ありそうな光景のどこを切りとるのか どんな会話をして 何を食べたか
それは浅煎りコーヒーだったり アスター麺だったり 中華街近くの敢えてのシーフードドリアだったり
37の掌編小説のうちまだ3編を読んだだけというのに
思い出が先か 食べ物が先か いやいや人ありきでしょ
一癖も二癖もある人たちがいい味だしてくれてます
もう会えないとか言っちゃだめです

カッコつけの同世代のバーのマスターが残した日記、横浜の思い出のシーフードドリア、十五年来のメル友の女性といった記憶を掬いとったエッセイ。
燃え殻さんのエッセイは人が自分では直視したくないような情けないところやズルいところが余すところなく描かれていて、ホッとしたり共感せざるを得ない。
一部公開である旨が表記されてなかったのが残念。

後で読まれることを想定していた日記を書いていた喫茶店のマスター、銀座アスターへ行こうって約束したのに結局会えなかった彼女、シーフードドリアを一緒に食べた彼女。
わたしにも、コーヒーの香りの思い出も、アスター麺の思い出も、シーフードドリアの思い出もあるけれど、燃え殻さんとは全然違う思い出なの。それぞれが、その人なりの思い出をたくさん持ってるものなのよ、きっと。
今は何にも感情をこめて食べていないこの味も、いつか思い出で満たされる日が来るのかもしれないのよね。

どのお話も過ぎ去った記憶と食べ物が結びついていて、生きてれば食がそばにあるんだよなあって思ったり。
あいまいにしたいこと、決着がついていないこと。でもメニューははっきり書かれている。その対比がひとつひとつの物語の味と余韻になっているような気がした。

抜粋版なのであっという間に読み終わってしまい、本編がすごく読みたくなりました。燃え殻さんの文章は飾らないままストレートに心に響いてくる気がします。情景が目に浮かぶのはもちろん、今回は味がテーマなので食べ物、飲み物がそこにあるように感じ、ドリアの湯気まで感じてしまいました。個人的なことですがニューグランドを訪れたことはあるのですがめぐり合わせでシーフードドリアを食べていないので余計に胸に迫るものがありました。