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流星と吐き気 表紙

流星と吐き気

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刊行日 2025/05/19 | 掲載終了日 2025/05/21

ハッシュタグ:#流星と吐き気 #NetGalleyJP


内容紹介

//『死んだ山田と教室』の金子玲介が贈る、嫌愛連作短編集!//

記憶の中の自分、記憶の中のあなた。

答え合わせなんてしなければよかった。

――――――――――――――――――
◆流星と吐き気
高校時代、たった数ヵ月付き合っただけの彼女のことが忘れられず、偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をするアーティスト。

◆リビングデッドの叫び声
かつて付き合っていた年下彼氏が超有名覆面漫画家になったことを知り、アニメ化にもなった作品の主人公が自分なのではとサイン会に出かける高校教師。

◆種
担当編集者とプライベートも二人三脚で作品を生み出し成功したものの、振られてしまい、漫画作品だけで繋がっている人気漫画家。 

◆消えない
恋愛に興味が持てないまま何人もの男女と付き合い、家庭を持ったが、昔付き合っていた女性から独り言のようなLINEが送られてきた編集者。

◆プラネタリウム
自己肯定感が浮上しないまま生きていたある日、かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり盛り上がるレンタル彼女。 
――――――――――――――――――

【  担当編集者より 】
かつて付き合っていた恋人と再び出会う――。
ロマンチックな物語を想像した皆様ごめんなさい。
『死んだ山田と教室』『死んだ石井の大群』『死んだ木村を上演』の三作品では予想外のラストで感動を呼び込んだ金子玲介氏。
今作では、ブラックな方向で読者の期待を裏切ります……。自己中心、身勝手、独善。登場人物たちは誰もがクズばかり。でも客観的に読めなくなるのは、共感性羞恥を含んでいるから。
金子玲介の仄暗さをご堪能ください!

--------------------------------------
著者/金子玲介(かねこ・れいすけ)
1993年神奈川県生まれ。慶応義塾大学卒業。『死んだ山田と教室』で第65回メフィスト賞受賞しデビュー。同作で王様のブランチBOOK大賞2024、第8回未来屋小説大賞第2位、第11回山中賞、本の雑誌が選ぶ2024年度上半期ベスト10第1位。2025年本屋大賞ノミネート。ほかの著書に『死んだ石井の大群』『死んだ木村を上演』がある。

//『死んだ山田と教室』の金子玲介が贈る、嫌愛連作短編集!//

記憶の中の自分、記憶の中のあなた。

答え合わせなんてしなければよかった。

――――――――――――――――――
◆流星と吐き気
高校時代、たった数ヵ月付き合っただけの彼女のことが忘れられず、偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をするアーティスト。

◆リビングデッドの叫び声
かつて付き合っていた年下彼氏が超有名覆面漫画家になったことを...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。

○お名前・所属などに詳細な記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方
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※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。

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販促プラン


読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 書籍営業部>まで直接お問合せをお願いいたします。

★★


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NetGalley会員レビュー

山田、石井、木村という突飛な設定で驚かせるこれまでの3作とは違って、極めてオーソドックスな、しかし愛も恋も全てを信じたくなくなる佳作。
出てくる人物の誰にも共感しない。しかし「確かにいるよな」という気持ちにもさせられる。
SNSが日常になっている、そしてAIと共存が当たり前になっている令和ならではの一作。

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過去の長編3作全て拝読させていただきましたが、それぞれ違った作風で、シュールな一面がありどれも楽しく読ませていただきました。本作はミステリではないとの紹介で、どのようなストーリーになるのかとても楽しみでしたが、しっかり金子先生味を感じることができて大満足です。

 短編ごとに、前章の脇役が主役となっていくシステムで、それぞれのキャラを深く知ることができて面白かったのですが、その誰もがとんでもないエピソードながら、こんな人いるよね。と、どこか共感できてしまい、次はどんなキャラなんだろう。と最後までワクワクできました。
 


流星と吐き気
風景の描写や会話のリズムがまさに青春小説のように綺麗で、失礼ながらこんな文章も書けるんだとびっくりしました。過去を引きずる遥也と、当たり前ではあるけれども千瀬が辛辣すぎるのがリアルすぎて辛くなりました。最後急に必死で見苦しくなる遥也に失礼ながら笑ってしまいました。


リビングデッドの叫び声
死んだ山田と教室で感じた、何気ない会話の面白さが存分に発揮されていたと思います。元彼の漫画エピソードだけじゃなくて、千瀬の同僚のエピソードが不意打ちにやばくてびっくりしました。
オチを含め、全体に金子先生味を感じで一番好きでした。



引き続きシュールではあるけれど、また雰囲気の違った暗さがあって、最後いい物語だなと感じてしまったのが悔しいです。


消えない
女性の一人語りがメインで進んでいくのですが、だんだんと編集者のいい人感が伝わってきて好きなキャラになりました。女性と編集者は言葉を交わしてないのに、会話ができてるところも素敵でした。


プラネタリウム
遥也が登場し、綺麗に一周したのですが、まさかの女性版遥也の登場に冷たすぎる遥也に終始ツッコミながら読みました。あんなこと言っておきながら、レンタル彼女利用してる理由もまあまあ気持ち悪くて面白かったです。

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気鋭のアーティスト・HaRUKAは星を見に秋田へ訪れる。案内してくれるはずだった友人の代わりに現れたのは・・・
「あざとさ」をキーワードに告白したり、気を引いたりと恋愛関係(人間関係も含む)を構築することがもてはやされている昨今、反するかのように関係のエピローグに特化した連作集で、「すっぱりあきらめて切り替えて新しい関係を探す」という理想論に対して、嘲笑うかのように引きずり、うだうだぐたぐたのオンパレードで失笑を禁じ得ない。ただ自身やリアルの周囲の人々と照らし合わせると「案外、そんまものか」と納得させるようで油断できない気持ちにもなる。さらに連作の繋がりがその「ぐだぐだ」ぶりというのがなんとも皮肉だ。
さまざまなリアルが散りばめられたエピローグ連作集。

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「死んだ〇〇シリーズ」にハマっていたので、新作を心待ちにしていました。
本作は、ロマンチックなんて言葉が似合わない、大人たちの拗れた恋愛を描いた連作短編集です。

忘れられない元恋人との再会があり、そこからまた恋が始まるのかと思いきや、展開は驚くほど現実的。偶然の再会は運命か、それともただの偶然か。もしも昔の恋人から「あなたを忘れられません」と言われたら、誰でも戸惑ってしまうでしょう。「終わった人間関係に、意味なんてないからね」という一言には、思わず頷かされました。
中でも印象に残ったのは、「消えない」に登場する怒涛のLINE。まるでホラーのようで、背筋がぞっとしました。

忘れられない思いを拗らせてしまった大人たちの姿には、どこか愛おしさも感じられました。だからこそ心に傷を負ったとしてもいつか花を咲かせるために、彼らが前を向いて進んでいけたらと願わずにはいられません。

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忘れられない人。
 というのは、一見してロマンスの響きを感じさせる。
 実際、本編に登場する五人の男女にはどれだけ意識しても記憶から引っ掛かって落ちない『忘れられない人』がいる。
 しかし本作は『恋愛小説』ではなく『嫌愛小説』として上梓された。
 これが何を意味するのかというと、愛や恋をすることの難しさを“嫌悪的”に描いているのだ。
 もしも、『忘れられない人がいて、あまつさえ割り切れていない』状態で読めば、胸に太い針で刺されるような痛みを覚えるかもしれない。そのくらい収録作の毒味は強く、取扱注意だ。
 割り切れなさは拗れ、それはやがてぐずぐずに腐って匂いを放つ。だが、臭いものに蓋をしたからといって事が解決するわけではない。
 文体はこれまでの作品と同じでどこかフランクなのに、端々にカミソリのような鋭利さを兼ね備えていて、ページを捲ればめくるほど薄らジクジクと痛みを与えさせられるのだ。
 とはいえもちろん、読者を徒に痛めつけようとする小説なのではない。
 連作短編形式で演出される数々の出会いと別れを通じ、『人というのは他人の存在があってはじめて己を知ることができ、それに伴う傷は成長の糧となる──可能性がある』こともまた、綴られているのだ。
 人を愛することに、恋を抱くことに、どんな理由や意味があるのか。
 恋愛のキレイゴトを真っ向から撥ねつけるような、決して優しくないながらも、ひとつまみの情が忘れ難い作品だ。

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荒ぶる情念のほとばしりが
圧倒的な迫力で眼前に迫る一冊。

クライマックスからさらなる衝撃がくる!
こんな恋愛小説、見たことない!

予想を縦横無尽に裏切るもの凄い作品でした。

「思い通りなんかにさせないよ?」って
著者の高笑いが聞こえてきそうです。

一番面白かったのはテスト問題のくだり。
思わずその場面を想像して吹いたわ~。

多様な恋愛観が出てきますが
一筋縄ではいかない悲恋のなかに
狂おしいほど共感の粒がぎっしり。

決してよくないとわかっているのに
制御できない感情の奔流。

身につまされました。
思い出させられました。

しあわせの記憶、苦い過去、
どうしようもなくとらわれる心。

これは誰しも自身の経験に
重ねる部分があるはず。

つまりグワングワンに
揺さぶられることうけあいです。

この読書体験は古傷に効く!
効きすぎてもうフラフラなのよ。

(対象年齢は13歳以上かな?)

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登場人物全員漏れなく気持ち悪い。

これはすごいことだ。出てくる主役として出てくる奴が本当に全員気持ち悪い。
なのに全員自分のことをわりとまとも(どこにでもいる人間)だと自覚している。
本当に気持ち悪い。共感もしないし納得・同情もない。
なのにすいすいと読み進めて、「面白いな~」なんて思ってる。変な作品!

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SNSや一昔前のネット文化に親しみを覚える一方で、登場人物たちのどこか現実離れした存在感が、感情の衝突や辛辣な言葉を逆に本音として際立たせていたのが印象的でした。
作者は自身に近い男性像を媒介に、感情を率直に描きつつも、男女いずれも偏らず生々しく、それでいて一定の距離感を保っていたように感じます。
特に印象に残ったのは、冒頭で振られた男性が最終話では振る側へと立場を変えていたところ。その豹変ぶりに驚かされつつも、彼が本当に愛していたのは“相手”というより、“その人といる自分”だったのだと腑に落ちました。まあ、多くの恋愛の根底にはそういう要素があるのかもしれません。
相手の魅力を問われる場面では抽象的で凡庸な言葉が並ぶ一方、自分と相手がいる情景だけはやたらと鮮明で、恋愛に潜む自己愛が自然と浮かび上がっていました。
それも人間の一面であり、自己嫌悪することもあるけど、この感情と生きてくしかないし。
純粋で素直な恋愛小説だと感じました。

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金子作品初心者が恐縮ですが、金子作品は軽妙な文章とセリフで、人の痛い部分や、闇みたいなものを書くというイメージで、私はそのギャップというか、淡々と語られる感じがすごく好きです。
この作品も、そのイメージを裏切らず、いや、恋愛という身近なテーマだからこそわかりやすくて(わからなさすぎて)期待以上でした。
人を一途に思い続けることができることが羨ましく思えると同時に気持ち悪く、微笑ましいように思える自意識過剰が痛すぎる。
「恋愛したい」ではなく、「恋愛って怖い」と思わされる、気持ち悪さと痛さ全開の恋愛小説だと思います。

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確かに感情って関係性によってこうも変わるものなんだよな。
今作の金子さんはブラックでセリフもなかなか辛辣なことを言っているにも関わらず
淡々としていて読んでいて清々しささえ感じられる。
登場人物がクズだらけだからか・・・?

誰しも、恋愛中は愛に溢れてキラキラしているのに、関係が終わるとともにその愛は
刃となって近づくこともできなくなる。
「気持ちわるっ」と思うと同時に「お気の毒」と思いながら読ませていただきました。

きっと皆さん古傷が疼きだすことでしょう笑

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山田と石井と木村を殺して名を成した(←言い方)著者が新たに紡ぐのは、まさかの“恋愛小説”、かと思いきやまさかの“嫌愛”小説! 短編集ですが、全部読んで完結する内容です。「死んだ」3部作とのギャップに期待しながら読み進めると、さすがに只者ではない雰囲気が漂っています。
 それぞれの章で、現代美術アーティスト・遥也と英語教師・千瀬、千瀬と漫画家・理久斗、理久斗と漫画編集者・竜平、竜平とレンタル彼女・亜由梨、そして亜由梨と遥也の関係が描かれていますが、何とも言えない気持ち悪さを感じます。見方によっては可愛らしいとか純粋とか言えなくもないかもしれませんが、誰にも共感しづらいところがまた何とも…。どう気持ち悪いか、なぜ共感しづらいかは、ぜひご自身で読んで確かめてみてください。

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いろんな恋愛の形の短編連作。ちょっと精神病んでいる人の必死さが読んでいて辛かったです。ラスト、会話文しかないのに、情景や心情がぐいぐいせまってきて怖いくらいでした。初読みの作家さんでしたが、表現方法に新しさを感じました。前作や今後の作品も気になります。

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え、めっちゃ怖い!制御不能な拗れた恋愛模様が完璧に伝わってきて、震える。
金子先生、なんでそんなに女心がわかるのですか!?
恋愛をしていた遠い昔の自分たちを目の当たりにしたようで、苦笑いが止まりませんでした。
人の内面のやわらかい部分の表現力、触れてはいけないようなギリギリの心の揺れの描写、もう、本当に圧倒的です!
うわ、ぎょえ〜、そうそうそう!って、今年一番、感情を声に出して読んだ作品です。

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「ゴミみたいな人生でも、そこにあるだけで、生きているだけで、誰かにとっての光になること、流れ星になることってあるよな」

虚構のプラネタリウムを作るアーティストの遥也
大人気漫画の作者、理久斗
その編集者の竜平などそれぞれの人物に光を当てた連作短編。

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失恋をめぐる短編が連なる連作。それぞれの話が前の話とリンクしており、最後の話でもって失恋の輪っかが完成する。最初と最後に出される本作のテーマ、終わった人間関係に意味なんてない。本当に意味がないのかどうかは本作を通して読むと見えてくるだろう。

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人は、そう簡単に出会わない。
世の中には、星の数ほど人はいるのに、
自分が心から好きになって、ずっと想っていたいと思える人には、そう出会わない。
そして、恋愛とはこうもすれ違い、続かなくて、保存できないものなのか。

なんてことを感じながら、そうだよな、つい、つい、
その人のこと、長く引きずって想い続けてしまうものだよなと思う。

一途なまっすぐな想いは、いったいどこにあるのだろう。

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過去を美化して拗らせた男女5人の独り善がりの恋の顛末を内外から描いた、不恰好で痛々しい想いが凝縮された連作短編集。

恋愛の、人間の面倒臭さがこれでもかと詰まっていて、単純な嫌悪感からの吐き気と、自分の胸に手を当てた事による黒歴史召喚の吐き気。堪らない共感性羞恥のオンパレード。結局、同じ事をしても相手によってキモさの度合いが変わり、自分の気分によっても変わる。その適当な匙加減を当たり前に押し付け合っているのが恋なのかもしれない。妙な説得力と清々しさすら感じる不思議な作品。

『死んだ〜』シリーズとはまた違う角度から、抱えきれなくなった心の暗い部分を描き出し、その闇に星を流す。人との関係性を流星群観測と重ね、不意打ちに光を鏤めてくるお洒落さが好い。
登場人物にクリエイターが多い事もあり、詩的で独特な描写も光っていた。

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失恋にも届かない。恋は盲目。一方的。
『もしかしたら』と思うほどその『もしかしたら』はない。
著者は想像もできない失恋をしたのだろうか。
生きる希望が見出せないほど凍える冷気と酔いすぎてどこにいるのかわからなくなるような吐き気。自分では正論と思っていてもそうとは限らない。むしろかなりイっちゃってる。誰しもが思うところがありすぎて読みたくないのに読み進めなくては変わらない気がするような焦りみたいな感覚が素敵でした。

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苗字の3部作が終わり、新たな試みとして書かれた作品なので期待値高めでした。
そして、やっぱり面白いです。
会話多めは相変わらずで、そこが読みやすい。
恋の相手が数珠繋ぎのように出てきて、さっきフッた人が次にはフラレたり、関係性が面白い。
著者もどんどん新しいものを書きたいと言っているので、これからも応援していきたい。

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ロマンチックとは全くかけ離れていて、鳥肌が立つくらい登場人物が気持ち悪い。
気持ち悪いのに読んでいて不快さがないのが不思議です。
今までの死んだ○○シリーズとは違いますが、今作も金子先生らしさが全面に出ていると思います。
会話文だけなのにぐっと世界観に入り込むような展開など面白かったです。

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「死んだ〇〇」シリーズの金子玲介が初めてシリーズ外(別に「死んだ」は繋がってないけど)作品、しかも恋愛で連作短編、なのにこの不穏なタイトル?と期待大で読んで、期待以上に面白かった。元カレ、元カノとのエピソードで繋がっていく作品。どれも良い感じにタイトルの「吐き気」要素があって、エンタメだし純文感もあるとても面白い作品。最後の一文がとても秀逸。

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連作短編集。
運命の出会い、運命の再会なんて簡単には起こらない。
それでも、もしかしたら起きるんじゃないか、と期待する人々が一体どんな結末を迎えるのか。各話吸い込まれるように読めました。
すれ違いにすれ違いを重ねる人間関係がよりリアルでした。

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え、なにこれめちゃくちゃしんどいもの読まされてる。
読まされてるっていうか自ら読んでいるんだけども。
うわぁ、やめてくれと思いながらも読んでしまうのです。なんですかこれ……!!
みんな誰かを好きでいるだけのことが本当にしんどい。
好きをこじらせたことがある人は共感しすぎて吐くと思うけど、私は読んで良かったと思います。
こじらせ具合に共感してしまう部分があるからこそ
読んでしまいました。
金子さんの作品は山田も石井も木村も好きですが、
これが一番好きです。墓まで持っていきたいです。

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別れた人をいつまでも引きずって生きる、というのは人間の行為の中で最もみっともない行為かもと思わせるかの如く、未練タラタラでしつこい主人公たちに気持ちの悪さを感じつつも、なんだかあまりの必死さに笑えてきてしまいました。けれど、冷静に考えてみるとこういう思いに覚えがなくもない、とも思うわけで。自分を振り返ってみるためにも、一読の価値のある作品だと思います。

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まごうことなき恋愛小説なのだけれど、トキメキとか、キュンとか、感動はゼロ。
「死んだ山田と教室」の金子玲介の新作は今まで見たことのない新しい恋愛小説でした。
登場人物すべてが片想い。とてもポップな設定かと思いきやなんて後味の悪い片想いなんだ!!!

気持ち悪いか悪くないか、といったら、気持ち悪い。
好きか嫌いかと言ったら私は好き。
共感できるかできないかといったら、私はすごく共感できる。

今まで、片想いや失恋したことがある人で、この小説に共感できないというのなら、その人は健全すぎるほど健全な精神の持ち主なんじゃないかと思います。
読んでいる間ずっと、人って、そういう歪んだ部分が大なり小なりあるよなぁと思わされました。
「死んだ山田と教室」でも思ったのですが、金子さんは人の弱い部分やダメな部分を描くのがとても上手な作家だと思います。

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会話のテンポ感が良くて読みやすかった。
P.58もう終わってるんだから、私の人生に顔出さないでよ。覆面を徹底しなよ覆面を。顔出しNGなら元カノの人生にも顔出しちゃだめでしょ。 に笑いが止まらなかった!そして少しラップのようで書き写していて心地よかった笑
過去の恋愛は振り返るとロクなことがないのになぜ思い出が美化されてしまうのか本当に不思議だと思う。恋愛は人を狂わせるし、理性を失うよねという人間から出る黒い内面が余すことなく出ていて面白かった。

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金子玲介さんの新作、デビュー作「死んだ山田と教室」今までとは一味違った青春小説を書く、凄い人が出てきた!と感じさせてくれました。
その後、出版社サイドの意向か、同じような作品が続き、次のステップの進むのが難しいのかと危惧しましたが、本作で見事にグンとステップアップを感じさせてくれました。
ずっとずっと好きだった人への感情。
好きな側にすれば、美しい想い出、忘れられない感情だが、相手からしたら気持ち悪い、ストーカー、吐き気がするとまで思われてしまう。
この表裏を見事に書き上げていてお見事! 唸らされました。
◆流星と吐き気
遥也が忘れることが出来なかった初めて好きになった人、ずっと好きだった千瀬との再会から物語がスタート。
遥也側からは青春小説のような淡い想いとして描かれるが、既に既婚者となっている千瀬からするとキモイ。
だってもう30オーバーのおじさんが、ティーンエージャーみたいなこと言ってるんですからね。
このキモイ感じとのギャップにパンチを食らいました。
◆リビングデッドの叫び声
遥也をキモイとぶったぎった千瀬、最近流行りのコミック・キミイキのヒロインって私じゃない?
千瀬のことを振った理久斗がキミイキの作家・万塔いくらなんじゃない?
私のこと振ったけど、本当はずっと私のことが好きで今でも未練があってこんなの描いてるんじゃないの?
覆面作家・万塔いくらのサイン会に行った千瀬は・・・
この後の展開も見事でとても面白かったです。
◆種
漫画家・万塔いくらこと、理久斗が好きなのは編集者・竜平
サイン会の事件以来、描けなくなってしまった理久斗もまた、別れた竜平への想いが断ち切れない。
編集者としての竜平と漫画家・理久斗との人芸関係のバランスの描き方も絶妙。
漫画家としては尊敬するし、ずっと編集としてかかわって一緒に作品を作っていきたいが、男としては大嫌いと言われてしまう。
描けない期間、スイトピーの発芽を待つ、理久斗の切なさも良かったです。
◆消えない
編集者・竜平の元カノ・亜由梨から送られてくるLINEで物語が進行する。
表現方法を変え、連作短編のアクセントになっている点もとても良い。
竜平の違った一面を見ることもでき、え~そんな奴だったの?と思わせておいて、最後の屋上のシーンでグッと胸に来ました。
◆プラネリウム
あれ、続いて亜由梨の物語?と思ったら、最後に遥也がもう一度登場。
遥也の違った一面が見えて、人ってやはり多面的だと思う。
遥也の作品、プラネタリウムも気になっていたのでとてもよいしめくくりでした。

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忘れられないひとがいる。元カレ・元カノ。それぞれが一方的に思い入れる。久しぶりに偶然再会。でももう終わったことなんだ。しかし終わってないひとがいる。時と場合によれば犯罪もんだしこわいとさえ思える。物語は今の時代を反映している。この小説はまさにタイトルの「流星と吐き気」だと思う。そして著者ならではの表現だ。冒頭と結末が対比している。なるほどだと思う。ある意味これに救われた。

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後味の良い終わり方ではないのに、不快とは正反対の読後感。
誰もが自分の欲望に忠実で、感情に突き動かされて相手に想いをぶつけてしまう。これはクソなんだろうか?愚かで、何か可愛いと思った。
連作の繋がりがそういうことなのかと分かると、ゾワッとした。いずれも元恋人と再開する話なのだが、未練タラタラの相手に対してきっぱり拒絶した側が、次の話では別の相手に未練がある側に回っている。特に最後の話は、よくそんなこと言えたなとツッコミたくなった。
一番強烈に残っているのが『種』。綿毛のエピソードや付き合い始めのやり取りが可愛らしいからこそ、タイトルの意味や理久斗の行動が重い。次の話で間接的に理久斗の近況が分かるところ含めて好き。

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過去の恋を引き摺るメンタルの歪みがどの短編にも滲み出ていて、恋愛ってこんなにも醜い一面を持つものか⁉︎と、ぞわぞわさせられた。各編はゆるく繋がりあっていて、どこまでも後ろ暗い心模様が広がる。
金子玲介の持ち味、会話を畳み掛けるようなテキストに揺さぶられつつ、ネガティブなことばを吐き出さずにいられない、追い込まれたメンタルは本物。そこに普遍的なリアルが宿る。
みんな身勝手、みんなぐだぐだ。吐き気を感じさせられたら、金子玲介の勝ち。

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「死んだ木村を上演」と同じ金子玲介作品、当たり前だが会話が多い。しかし前作は演劇部の話だから会話が多いのは当然に思っていたが。短篇集の第1作がタイトル作、ペルセウス座流星群を一緒に観ることになった元カレと元カノしかし、実はたいした付き合いではなかった。要は青春時代の淡い交際を成人(彼女は既婚)になった男は再現しようとする話。怜悧な切れ味には驚く。次の「リビングデッドの呼び声」はタイトル作の元カノが元カレではと覆面漫画家のサイン会に出かける話。要は何でも「これは私だ」と思ってしまう話、特に元カレ元カノの場合は。まあ残酷な話。連作短篇集だった、しかもアルトゥル・シュニッツラー作「輪舞」のように主人公がリレーする形式、私はロンド形式の小説と呼んでいるが正しいかどうかは不明(もともとは音楽用語)。第3作「種」は第2作の覆面漫画家が主人公の「種」、第4作は第3作の主人公の担当編集者が主人公。各短篇のテーマは共通して恋愛、しかも一方通行の、しかし変化に富んだ話。第3作では男同士、近頃の小説は昔みたいに単純な恋愛小説は珍しい(私が読まないだけか)、むしろ恋愛できない、その理由はいろいろだが、話ばかり。この本も要は「否」恋愛ではないが「不」恋愛小説といえるだろう。・・・で第4作「消えない」は「ちょっといい話」、それまでの3作が「イヤミス」“嫌愛”(「いやあい」と読むのか)な内容なので救われる。さてラストは最初の元カレとお互い独り旅の金沢で過ごした5日間が忘れられない第4作の編集者の元カノの話。結論は「終わった」恋は、もはや「恋」では無いというもの。

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5月にして、おもしろさ今年ナンバーワンの作品が発表されたと思います。とにかく会話のセンスが凄い!文章を読んでいるのに目の前にしゃべっている人がいるような不思議な感覚…。感性が新しいとはこういうことかというのを鮮やかに実感する読書体験でした。会話文の新しさだけではなく絡み合う登場人物、ものづくりの苦悩、意外な展開が続くのに押し付けがましさのない自然さ、何もかも大好きです。

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タイトルに感じる違和感。5人の恋愛模様の連作を読み終えて納得。人の思いの強さに慄く。

元カレ元カノとの再会。忘れられず引きずる気持ちをを思い出の箱に閉まったはずなのに、簡単に鍵が開いてしまう。一見ドラマチックに思えるが、それは偶然でしかなく、決して運命でも奇跡でもない。

付き合う、そして別れる。そのタイミングは千差万別だけれど、振ったか振られたかでは、受け止め方は天と地の差がある。それでも生きてゆくためには、前を向き自立することが肝要になる。

過去と現在が入り混じっていたり、区切りない会話の連続、時刻表示付きのLINEメッセージの羅列など、読んだことのない表現だった。

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死んだ山田の教室の作者さんの作品でしたが、これまでの3作品とテーストが違って、新たな一面を見た気がしました。各章にまたがる登場人物が繋いでいく物語に引き込まれてしまいました。これからも期待したい作者さんです。

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連作というのでしょうか?
短編が続いていきます。
脇役だった人が、次の話では主人公になっていきます。
次の話を読み進めると、その人物をより理解していき、深く深く作品に潜っていくような、そんな感覚があります。
それぞれの立場に経つと見えてくる景色は違う、人はそれぞれの価値観で世界を見ているんだなぁと感じる作品でした!
また最初から読みたくなります!

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イヤなコイバナ数珠つなぎ。ワーストラブストーリーメビウスリング。ある時点ではお互いの抱いている気持ちはプラスの明るい良いものはずだったはずなのに、気がつけばどちらかが抱く気持ちが、反転して重く暗いマイナスなものに変化してすれ違う。わかりあえたはずだったのに。ひとがそれぞれ別の存在であるから起こってしまう避けられないことを丹念に描く。恋愛という関係性でこの言い回しが適切かはわからないが全員被害者であり、加害者でもある。誰も救われない。精神を抉りとられる。そして、読者はみなこれらのストーリーが自分のことではないことに安堵する。本当にあなたはこれが自分ではないと言えるのですか?

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この著者の魅力は、リアリティある小気味良い会話文なんだなぁと再確認した。遥也に始まり遥也に終わる?気持ち悪い執着をする側される側。千瀬&巧くんカップルは比較的まともだと思うけど、どの思いも他人には理解されないキモさがあって、それはそれで面白い。関わり合いにはなりたくないけど、いるよいる!こういう人!…と思わせる。

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主人公は元恋人に再会し期待するのだが、相手の方はそうではなく傷つけられる。というシチュエーションの連作5編。相手役は次の作品では主人公となり、逆苦しむ。因果応報のような苦い思いと拒絶の連鎖だが、人間心理を容赦なく抉っていて読ませる。人は誰かの思い人であり、思われ人にもなる。傷つけて傷つけられるのは悪いことでもないかも知れないと思った。

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自分では運命の再会って思っても、現実はそんな都合よく行かないよね、な連作短編。
全員被害者だけど加害者。
元カレ・元カノとの偶然の再会で長年心の中で煮詰まった想いが暴走してトンデモ行動に走る姿に、気持ち悪いと思いつつ、ちょっと身に覚えのある感情も混じってて痛面白かったです。
冷静に考えれば「終わった人間関係に意味なんてない」なんですよね。
ちょっと不思議なタイトルも読み終わって納得。
今回も金子さんの話の終わりは言葉の嵐で楽しかったです。

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『今回もやってくれたな〜(笑)』と思わず言ってしまう金子玲介の新作。とにかく元カレ、元カノの粘着質な気持ち悪さといったら一言では語れない。『取り敢えず読んでみな。気持ち悪いから(笑)』と友人にも薦めてしまった。最初から最後まで『コワっ』『キモっ』と言い続けた読書はもしかしたら初めてかもしれない。では、面白くないかというと間違いなく面白い。結末を知りたくてどんどんページを捲り、どんどんドン引きしていく。登場人物達のされるのは嫌だけどするのは平気な所も怖い。初夏に一味違う怖さを感じた(笑)

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ずっと忘れられなかった人。偶然の再会。これはもう運命。なんて美しい物語。綺麗な思い出を共有して、今の想いを受け止めてもらって。なんてならずに。登場人物が繋がっていく連作短編。面白かった。なんだけど、みんな酷いなと毒気にあてられました。

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金子さんの書く流れるような会話劇が、癖になる。ハマってしまう。
「死んだ〇〇」シリーズのようなどんでん返しはないけれど、人間の愚かさがこれでもかってくらいに曝け出されている。
「あー恥ずかしい」と登場人物に思うたびに、その恥ずかしさが自分にも当てはまることってない?と突きつけられているようで、ギクっとする。
愚かだけれど愛おしい5人の物語。
各章の主人公が、前の章の主人公と関係しているところも、人生の面白みを感じて、楽しかった!

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少し変わった恋愛短編集。近いところで想い想われ、すれ違い、別れ…募る想いが届かない人は、やはり他の人から想われていて…ちょっとつらい&面倒な恋愛たちばかりで、面白かったです!自分はこんなことはないとは思いつつ、今後気をつけたいな…とも思う小説でした。

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