
TRUE Colors 境界線の上で
コウベ ハルマ アオヌマ ヨウト イトウ ミク トリミヤマ タカコ ヒコ タナカ カマタニ ユウキ
神戸遥真/蒼沼洋人/いとうみく/鳥美山貴子/ひこ・田中/鎌谷悠希
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刊行日 2025/07/29 | 掲載終了日 2025/06/04
ハッシュタグ:#TRUEColors境界線の上で #NetGalleyJP
内容紹介
// 埼玉夏休みすいせん図書にも選ばれた 珠玉のアンソロジー第2弾//
社会に偏在するジェンダーの問題を
児童文学作家が鋭く描く。
ここでしか読めない、珠玉のアンソロジー!
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『To be a Mom』神戸遥真
生理は、将来ママになるために必要なものだから──そう本には書かれていた。でも、わたしもママにならないといけないの? 子どもが欲しい友達、怖いと言う友達。わたしは?
『三月のグラウンド』蒼沼洋人
男子に負けない努力を重ね、中学硬式野球のエースとなったわたし。でも、甲子園には出られない。女子だから。納得なんてできない。ナックルボールを磨き続けた先に、未来はあるのか──。
『親友のカレ』いとうみく
元カレの葉空とは今や親友。恋人じゃないからこそ、楽に過ごせる……はずだった。でも、葉空に「好きな人ができた」と言われて、わたしの心は大混乱。しかも、相手は「彼女」じゃなくて「彼氏」!?
『ダイニングテーブル』鳥美山貴子
お母さんの出張で、家事を任されたわたし。やるしかないけど、なんでわたしばっかり? 詩馬の家のダイニングテーブルでは、父さん二人が料理をしていた。家族のかたちは一つじゃない。それなら、わたしの家だって変えられる?
『ぼくと体と、』ひこ・田中
新しい通学路、新しい学校、新しい生活。ある日、電車の中で尻に触れる誰かの手。満員電車だから? 勘違い? ……違う。ぼくは被害者だ。男のぼくだって、痴漢に遭う。それを認めるのが、こんなに怖いなんて。
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令和6年埼玉夏休みすいせん図書にも選ばれた『YA! ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』から待望の第2弾が登場。
「今」を生きる児童文学作家がジェンダーと中学生をテーマに、それぞれの視点から物語をつづります。
装画は今回も『少年ノート』『ヒラエスは旅路の果て』の鎌谷悠希が担当。
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★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065400746 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 240 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー

ありのままは〈存りのまま〉だと思う。だから一人一人が、今の自分が〈在る〉様を大切にすることが大事。様々な〝自分〟に対して、それができますようにと願いながら読んだ。
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『To be a Mom』
ママはmustじゃない。確かに社会福祉が充実してきたけど、mustにするためじゃない。それを「選んだ」人を手助けするためのもの。〈体の仕組み〉がそうであっても、決めるのは〈自分の意思〉なんだから。
彩希の気持ちの揺れ動きは続くだろう。でもそれが〈自由意思〉、〈自己決定〉へと向かう道なんだから。だから彩希さん、それを大切にして。
『3月のグラウンド』
スポーツへの情熱は男女も同じ。ただ、成長するにつれ、体に差がでてしまう。〈目立つ〉のは男子になっていく。制度もそれに沿っている。情熱は変わらないのに、超えられない一線がある。
香田さんは諦めたが、京一郎君は違った。超えられない一線の先には、その線がないから。だから、京一郎君は必ず待つ。香田さんのラストピッチングに籠った〈意思〉を受け止めたから。だから香田さんも、ずっと真っ直ぐに前を向き続けて。線の向こうまで。
『親友のカレ』
恋人と言う関係は、幸せで不安定で気をつかう。親友と言う関係は、幸せで安定して正面から向き合える。だからこそ詩さんは余計に、〈頭で理解〉と〈心で受け入れる〉ことの差にぶつかることになったのだろう。そうして、悩んだ。でもそれが大事。
今の風潮にただ乗っていて、身近な現実となったら態度を翻す同級生達とは違う。〈排除〉と〈悩む〉はまったく異なる態度。〈わかろう〉として悩むのだから。最高の親友じゃないか。
『ダイニングテーブル』
家族のありかたはそれぞれ。だから日葵さんの家のように機能不全一歩手間にまでなることもある。 一方、詩馬くんの家のように無理解な人がいても幸せにやっていることもある。
家族が生き生きするポイントは、周りからの視線に縛られず、一般常識にとらわれないで、自分達のやり方を持つこと。そのことを、日葵さんだけでなく、読み手も教えられた。家族の多様性は、持ちつ持たれつ自分から、なのか。
『ぼくと、体と。』
制服、集団行動、友だち。疑問を持ち始めると止まらない。なぜ?どうして?必要あるの?
孤立が楽しい場合だってある。
ただ、困った時は相談する相手がいないから、内へと内へと籠ってしまう。特に今回は男女差も絡んできてしまって、〝ぼく〟の頭の中はぐるぐるぐる。だから、シュンに言えた事を読みながらホッとした。2人ならば、と。
でも、独りで対処するとは。自分独りでできることを。勇気を出して、決死の覚悟で。
そうか、独り、これも多様性の一つなんだな。友だちは無理してつくるものではないのだから。そして、頼る者がいないからこそ出せた強さだったのか。
人の多様性とは、本来はあらゆる方向に連続的に広がっている「スペクトラム状」のものだと考えています。でも、それではわかりづらいので、今まではそれを切り分けることで「カテゴライズ」していた点に、多少の違和感を感じていました。本書は、その傾向があまり感じられず、新しい「多様性」の捉え方が示されているように思います。その点では、これから先の方向性を示している素晴らしい本だと思います。書かれた諸先生方、誠にありがとうございました。

それまであまり男だとか女だとか意識していなかったのが、思春期を迎え、昔ほどでないにしても、男は男、女は女、という境界線がまだ引かれているということを実感し始める。
蒼沼洋人氏の『三月のグラウンド』が、とてもよかった。
女は参加不可、というどうしても抗えない制度にもだえ苦しみ、それでも努力を惜しまない主人公。
その葛藤の描写が素晴らしかった。
その主人公のために、なんとかその制度を変えようとするのが、男であるところもなかなかで、きっと、その子の想い人は……というのを明言しなかったのもいい。
ひこ・田中氏の『ぼくと体と、』は、異質だった。
満員電車の中での痴漢被害。
被害にあうのに、男も女もないはずなのに、男だからこんなことがあるはずがないのだとか、考えてしまって。
世の中の事をまだ知らない中学一年生が、思いもよらないことにひきこまれてしまい、自分の体が自分の物じゃないような、戸惑う気持ちが赤裸々に語られていた。

現実に絡みつき、未来を縛る考えから
解き放ってくれる一冊。
心に羽根を分け与えてくれる作品集ですね。
主人公の気づきに
ハッとさせられたり、唸らされたり
はたまた冷や汗をかいたりと
揺さぶられまくりの凄い時間だった!
驚きでは圧倒的に『ぼくと体と、』。
想像もしなかった未知の体験に
気持ちがシンクロすることでフラフラ。
心がすり減るかもれませんが、
これを読めばきっと正義感が強まります。
『To be a Mom』は古い価値観に
一石どころか三石も四石も投じます。
主体性への目覚めが清々しいですね。
この短編こそが、作中に出てくる
”知っておきたい話”だと感じましたよ。
『親友のカレ』には考えさせられた!
特に、ジェンダーについて
理解があるような顔をした人が
思わぬ感情に揺さぶられるくだり。
ここが最大のポイントであり
驚くほど核心を突いているなぁと感じました。
終盤の少年の言葉にも注目です!
彼らの葛藤に触れることで
読者の視野も広がることうけあいですよ。
『ダイニングテーブル』は
家族の思わぬふるまいにほっこり。
友人ファミリーとの対比がユニークでした。
他人に左右されない、
日々を幸せにする考え方は
みんな取り入れるべきでしょ!
『三月のグラウンド』は
二枚看板の熱量が圧倒的!
主人公と魅力の塊のような熱血男子の
ライバル関係プラスアルファ。
ピッタリなアクセントの匂わせ。
失意の主人公に起こるまさか。
そんな吸引力ある展開に引き込まれ、
目が回るような楽しい時間を過ごせました。
野球小説は大好物なのですが
もしそうでなくてもこの作品には
夢中になっていたと思います。
ジェンダーと中学生をテーマに
多士済々な顔ぶれがそろい踏みする
まさに夢のような企画でした。
読んだほうがいいではなく
読まないといけない作品が
ギュ~っと詰まっていましたよ。
こんな本に十代のころ出会いたかった!
今後も尖った作品たちの登場を
心待ちにしています!
(対象年齢は11歳以上かな?)

甲子園を目指す子の話がいちばん好きでした。
かなわない思いであっても、それがすべて無駄になるわけではないと信じさせてくれるお話。
ただ、全体を通して、狙っていることはわかるし、ある程度その狙いも達成されているけれど、
個人的にはもどかしさというか、幾分物足りなさのようなものを感じてしまいました。
思春期の恋愛を扱った作品でLGTまでは少し作品が増えてきたもののBがほぼないのが残念、とか、
いままでに海外YAなどでこのジャンルの本をたくさん読んでいるせいかもしれませんが。

この作品が読めて今の中学生が羨ましいなと思う。
今は映画、ドラマ、ネットでもジェンダー問題を扱った作品を多く見ることが出来る。
その作品を見て大人だって分かったつもりになっている。
もし隣りにいる友達や家族が当事者だったらときに、差別や偏見なく接することは出来るだろうか。
『親友のカレ』の最後の言葉がとても良かった。
いきなり全部を理解することなんて私も出来ないから、半歩でも寄り添う姿勢がとれるようになりたいなと思う。
『3月のグラウンド』では、どれだけ努力しても納得いかない道を歩まざると得なかった場面に胸が痛んだ。
違うスポーツだが私は女子だからという理由だけで入部すら断られた経験がある。何度も頭を下げ条件付きで入部を許された、私の学生時代に比べれば社会はほんの少し間口を広げようとしているのだろう。
もどかしいけれど、社会は簡単には変わってくれない。
それでも夢を諦めなければ道は続いていくのだと応援したくなった。
個性溢れる短編集で、まさに今の時代の中学生にぴったりだと思う。今の中学生たちはどんな感想を持つのだろう。
気持ちが軽くなったり、心の澱に気づいたり、自分なりの考えをあらたにすることもあるだろう。この作品を感想を聞いてみたいなとも思った。

ジェンダーと中学生をテーマとした短編集。主人公の中学生たちが、性別による固定概念によって悩み、苛立ち、戸惑うのを、自分の中学生くらいの頃を思い返しながら読みました。と言っても、自分は「男らしく」「女らしく」や、「男だから」「女だから」にたいして引っ掛かりもなく育ったので、この本は、中学生だけでなく、大人も読んだ方がよい気がします。家族で読んでいろいろな立場からジェンダーについて考える機会を持てたら素敵ですね。「ダイニングテーブル」の家族会議みたいに。