遺失の結末と彷徨える幽霊(ゴースト)たち
~編集者宮川雅は妥協しない~
水鏡月 聖
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刊行日 2025/07/14 | 掲載終了日 2025/07/17
ハッシュタグ:#ゴースト #NetGalleyJP
内容紹介
宮川雅は崖っぷちの編集者。次にヒット作を出せなければクビも覚悟する彼女のもとに、ベストセラー作家・東雲飛翔の新作原稿が届く。嬉々として読むが、その原稿には解決編がなかった。宮川が担当するミステリ作家・平澤大吾とともに東雲飛翔の家を訪ねるが、東雲飛翔は密室での遺体となって発見されてしまい――。
ベストセラー作家の死の謎、遺稿の結末を巡り、現実と作品が入り交ざる作中作ミステリー!
宮川雅は崖っぷちの編集者。次にヒット作を出せなければクビも覚悟する彼女のもとに、ベストセラー作家・東雲飛翔の新作原稿が届く。嬉々として読むが、その原稿には解決編がなかった。宮川が担当するミステリ作家・平澤大吾とともに東雲飛翔の家を訪ねるが、東雲飛翔は密室での遺体となって発見されてしまい――。
ベストセラー作家の死の謎、遺稿の結末を巡り、現実と作品が入り交ざる作中作ミステリー!
出版社からの備考・コメント
水鏡月聖(みかづきひじり)
第27回スニーカー大賞銀賞を受賞し、『僕らは『読み』を間違える』(KADOKAWA)でデビュー。文学作品の解釈で描かれる青春群像劇が話題となり、『このライトノベルがすごい! 2024』(宝島社)にて新作5位に選出される。
著作に『白いドレスと紅い月がとけあう夜に』(KADOKAWA)がある。
【目次】
プロローグ
ゾンビ作家・ピーチメルバ・欠けた結末
隠し部屋・芋羊羹・シアン化カリウム
ネタ帳・シフォンケーキ・旧友
真相・プリン・アラモード・シュミレーション
ドライブ・月邑聖人・どら焼き
告白・継承・ムートン・ロートシルト
エピローグ
あとがき
おすすめコメント
「存在しない解決編」を理想の結末へと導くのは、理不尽な現実に立ち向かう勇気と、軽妙な推理、そして誰しもが最初に胸に刻んだ、情熱という名の伏線。
ミステリ作家にしかたどり着けない結末をご覧あれ。
――北山猛邦(『少年検閲官』(創元推理文庫)著者)
編集者は作家に「物語」を熱望し、作家は書くことでしかそれに応えることができない。その感情から生み出される小説とは、いったい誰のものなのでしょうか。
そこに語るべき物語があるなら、語らなければいけない。語らない作家はもはや幽霊でしかない。編集者の執心めいた愛こそが、ときにその幽霊を土からよみがえらせるのかもしれません。
小説とは、創作とはなんと罪深いのだろうと実感しました。
――木犀あこ(『奇奇奇譚編集部』シリーズ(角川ホラー文庫)著者)
「僕らは『読み』を間違える」(KADOKAWA)で数々の名作を読み解いた水鏡月聖が「作中作の謎を読み解くミステリ」を描く、まさに独擅場ではないでしょうか。
些細な違和感が積み上げられ、全てが明らかになっていく爽快感。
著者の考えを読み解き、けれども人の心は完全に理解できない現実も絡まりながら気持ちの良い読後感へ繋がっていく……。
このお話を読んでいると、私も『著者』が書きたかった物を悟る事ができたような気がしました。
これから本作を読む方には、途中で何を感じてもぜひ手を止めずに最後まで読み進めてほしいと思います。
――零雫(『不死探偵・冷堂紅葉』(GA文庫)著者)
宮川雅は崖っぷちの編集者。次にヒット作を出せなければクビも覚悟している彼女のもとに、ベストセラー作家・東雲飛翔の新作原稿が届く。
嬉々として読むが、その原稿には解決編がなかった。宮川が担当するミステリ作家・平澤大吾とともに東雲飛翔の家を訪ねるが、東雲飛翔は密室での遺体となって発見されてしまい――。
ベストセラー作家の死の謎、遺稿の結末を巡り、現実と作品が入り交ざる作中作ミステリー!
『僕らは『読み』を間違える』(KADOKAWA)の水鏡月聖、初の単行本作品!
販促プラン
このたびは、当作品をお読みいただき、誠にありがとうございます。
当作品を読み終わりましたら、NetGalleyへぜひ、レビューをご投稿お願いします。
著者、担当編集者ともにお待ちしております。
なお、当作品の拡材や指定配本をご希望の書店さまは、大変恐れ入りますが【マイナビ出版 書店営業部】まで直接ご連絡ください。
このたびは、当作品をお読みいただき、誠にありがとうございます。
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著者、担当編集者ともにお待ちしております。
なお、当作品の拡材や指定配本をご希望の書店さまは、大変恐れ入りますが【マイナビ出版 書店営業部】まで直接ご連絡ください。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784839988753 |
本体価格 | ¥1,630 (JPY) |
ページ数 | 280 |
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NetGalley会員レビュー

「崖っぷちの編集者主人公。ベストセラー作家の死」という内容紹介にワクワクしました。
編集者主人公と行動を共にする担当作家・平澤さんのキャラが味わい深くて、面白い。
謎を単に解いてすっきりとはいかなくて、「これってどうなんだろう」という議論を呼びそうなお話。一筋縄ではいかない。そこがいい、と思います。好み!
主人公の友だち作家の沙紀さんも素敵なキャラで。
作中小説を推理にも活かしていて、「なるほどなあ」ってなりました。
一冊の作品って、編集者さんとかデザイナーさんとか色々な方のお仕事を経て完成していると思うので、作品作りのチーム感が個人的に大好き。
こういう本って、「これ読んでみて」って知り合いにすすめて「どう思った?」って感想を聞いてみたくなる。
きっと読んだ人はたくさん感想を思いついて、「自分はこう思う」みたいにもやもやを抱えて、同じ意見の人がいたら頷いて。
さらっと読んで終わりではなくて、正しいことってなんだろうとか、これはいいんだろうかとか、いっぱい考える。
そんな読書体験ができると思うから、この作品は特別価値があると思いました。

作中作『青山邸の殺人遊戯』。
それを完結させるため、作家と編集者が魂をぶつけ合う。これが本作のメインである。
要となるのは、ミステリ作家・平澤の放つ『人の考えていないところまで考えるのが作家の性』という言葉だ。
これはまるで新雪に足跡を付けるような、想像力の羽を感じさせる響きだが、こと今作においては「故人に代わって物語を紡ぐ覚悟があるのか」と問うているに等しい。
現実でも、某推理作家の未完を完結させた小説がある。そのことを思い出して、改めて作家の偉大さを知ったものだ。
だから、難題に立ち向かうことにした作家たちの真摯さに胸を熱くさせたのだ。
さて。「作中作を自分たちで完結させよう」と一念発起し、以降模索する様には、「本来どのような結末が用意されていたのか」を探るミステリとしての面白さはもちろんのこと、『作家』と『編集者』の職業にフォーカスを当てた“ときに罪深い”お仕事小説としての滋味もあった。
そして、やがて作中作を完結までこぎつけたとき、矢庭に東雲の死の謎に視点が移り、物語はミステリの味付けを濃くしていくのだ。
なぜ、東雲は命を落とさなければならなかったのか? それは自殺か他殺か?
真実をめぐっては、紙面上では推し量ることのできない裏側にある“終わらせる”という行為が際立ち、ずしんと心にのしかかった。が、そのまま暗い道を歩かせるのではなく、最後には一定の形で明るさを取り戻す構成に胸がスッとした。
作家のみならず、我々は世の中に何かを“残す”あるいは“刻む”ことを求めている。
それがときに罪深く、ときに美しい営みを生むのだ。
全体を通して読みやすい文章であり、『ライトミステリ』として誰にでも薦めやすい一冊だと思った。小説や創作が好きな読者もハマるだろう。