とんこつQ&A
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刊行日 2025/10/15 | 掲載終了日 2025/10/16
ハッシュタグ:#とんこつQA #NetGalleyJP
内容紹介
表題作をはじめ、予想しえない展開に鳥肌が止まらない、ほのぼのと不穏が奇妙に交わる全4編!
*****
「常識ってなんやったっけ?と、おかしな展開になっていく。面白不気味。」
――3時のヒロイン・福田麻貴
1/11放送「王様のブランチ」(TBS系毎週土曜日 あさ9時30分より生放送)
「根拠の薄い不安定な強さが周囲を引きずりこみ、世界を歪ませる――そんな危うい実体を「ほらほら」と容赦なく描きだす今村夏子、無敵。」
――平松洋子(解説より)
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<目次>
「とんこつQ&A」
大将とぼっちゃんが営む町中華とんこつ。「いらっしゃいませ」もろくに言えない従業員のわたしは、接客対応マニュアル「とんこつQ&A」を自作し居場所を見つけたはずだった。
あの女が新たに雇われるまでは――。
「嘘の道」
姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが……
「良夫婦」
いつもお腹を空かせている近所の少年・タム。彼の心を開くため、友加里は物で釣ることを考える。
「冷たい大根の煮物」
お金を借りて返さないことで有名な芝山さん。ずるずる仲良くなってしまった「わたし」は……
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著者/今村夏子(いまむら・なつこ)
1980年、広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で第26回太宰治賞を受賞しデビュー。「こちらあみ子」と改題し、同作と新作中編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で’11年に第24回三島由紀夫賞を受賞。’17年『あひる』で第5回河合隼雄物語賞、『星の子』で第39回野間文芸新人賞、’19年『むらさきのスカートの女』で第161回芥川賞を受賞。他の著書に『父と私の桜尾通り商店街』『木になった亜沙』がある。
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出版情報
| ISBN | 9784065410370 |
| 本体価格 | ¥660 (JPY) |
| ページ数 | 232 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
図書館関係者 1038994
怖い。得体の知れぬ何かに終われているような感覚。当たり前の日常だったのがいつしか不思議な世界へ入りこんでいる。
良夫婦 一見好い人そうな奥さんがまさか…裏切られました。
他の作品も「まさか」が起こり、なんだか明日から自分も全部疑って生きてしまいそう。
読後も真っ直ぐ歩いているのに傾いているような不思議な気持ちです。
正に面白不気味!の意味が読めば分かる。ぶはははと笑った後に何故か吹き荒む不気味さと怖さ。そして、話が全部面白いのだ。ハズレの章がないから一気に読めまっせ。埼玉生まれのくせに気がついたら大阪弁になってしまうなんて影響されやすいんだ。わたくし。なんて私は平々凡々なんだと気付かされまっせ。うふふふふふ。
図書館関係者 685436
はじめは知っている場所にいる気がしていたのに、気がつくととんでもなく遠い遠い薄気味悪いところにいる…そんな今村さんワールド全開でした。その薄気味悪さは、日々すぐ後ろで待機していて、あなたもそうじゃないですか?と語りかけてくるようなリアリティがあります。
短編が収められたこの本は、今村ワールド初心者の方にも自信を持ってオススメしたいです
書店関係者 1084454
こ、怖い…。描かれる舞台は、よくある町の風景だし、殺人鬼もお化けも出てこないし、ホラーでもサスペンスでもないけれどすごく怖かった。だけど、読むのを止められない。読んだ後もずっとざわざわした感じが残るような本だった。
教育関係者 454232
読んだことあるよなと思ったらやはりネットギャリーで読んだことがあった。
その時の感想を見直してまた読んでみたがやっぱり面白かった。
このとんこつのお店が好きすぎる。
メモを見ないと何も言えない従業員、頼まれないと何もしない従業員、そしてそれを温かい目で見守る
主人と息子。最高すぎる。
しかし絶対私がそこで働いたらイライラしてしまうだろうとも思う。
でも私はこのお店がすきなのだ。
書店関係者 1816442
今村夏子さんの短編集は、最初はほのぼのとした日常のお話に見えるのに、気がつくと不穏で奇妙な世界へ引きずり込まれているような、すごく面白くて怖い一冊でした。
読み始めた時は、ちゃんと知っている場所にいる気がするんです。町中華、近所の人、家族、学校など、どれも身近な景色ばかり。でも、ほんの少し会話が噛み合わなかったり、誰かの行動に違和感があったりして、ページをめくるうちに「なんか変かも……?」となっていきます。そして、気づいた時にはとんでもなく遠い、薄気味悪い場所に立たされているような感覚になりました。読み終わったあとも、まっすぐ歩いているはずなのに、足元だけ少し傾いているような不思議な気持ちが残ります。
「とんこつQ&A」は、町中華「とんこつ」で働く“わたし”のお話です。接客がうまくできず、自作の対応マニュアル「とんこつQ&A」を頼りにしながら働く主人公と、頼まれないと何もしない従業員たち。そして、そんな従業員たちを温かく見守っている大将とぼっちゃん。このお店の、どこかゆるくて独特な空気感がすごく好きでした。正直、もし自分がここで働いたら「もうちょっと気づいて動いてよ〜!」ってなってしまいそうなのに、読んでいると不思議と愛おしくなってしまいます。
でも、新しく入ってきた「あの女」によって、店の空気が少しずつ変わっていくところが怖いです。誰か一人の、根拠のない強さや不安定さが、周囲の人まで巻き込み、当たり前だった世界を歪ませていく。その危うさがものすごくリアルで、ぞわぞわしました。
「嘘の道」では、とんでもない嘘をつく少年が登場します。ただの嘘つきの話では終わらず、嘘と現実の境目が少しずつ曖昧になっていくような感覚がありました。「そういう子は、そのうち消えていなくなる」という言葉も不気味で、読後にじわじわ思い出してしまいます。
「良夫婦」は、近所に住むいつもお腹を空かせている少年・タムと、彼に関わる友加里のお話です。一見すると優しくて親切そうな人たちが出てくるので、最初は安心して読んでいたのですが……まさかの展開に裏切られました。いい人だと思っていたからこそ、怖さも大きくて、「人って見えている部分だけでは全然わからないんだな」と思いました。
「冷たい大根の煮物」も、お金を借りて返さないことで有名な芝山さんとの関わりから、日常がじわじわおかしな方向へ進んでいきます。明らかに距離を置いた方がよさそうな相手なのに、なぜかずるずる繋がってしまう。その「嫌なのに切れない」「変だと思っているのに流されてしまう」感じがすごく怖かったです。
四編とも、幽霊や怪物が出てくるような怖さではありません。でも、人の心の中にある得体の知れないものや、日常のすぐ後ろに待機している不安のようなものが、容赦なく描かれています。「あなたの身の回りにも、こんなことありませんか?」と本から静かに話しかけられているようで、明日から少しだけ周りを疑ってしまいそうです。
ほのぼのしているのに不穏。不気味なのに、なぜか目が離せない。今村夏子さんらしい世界がぎゅっと詰まった短編集でした。短編なので読みやすく、今村夏子さんの作品を初めて読む方にもおすすめしたいです。ただし、読んだあとに一人でいる時、急に思い出してぞくっとするかもしれません。