神の蝶、舞う果て
上橋菜穂子
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刊行日 2026/01/22 | 掲載終了日 2026/01/21
ハッシュタグ:#神の蝶舞う果て #NetGalleyJP
内容紹介
降魔士の少年・ジェードは、神と魔物、光と闇が共に宿っているとされる、神聖でありながらも恐ろしい聖域で、魔物から聖なる蝶を守る役目を負って暮らしていた。
ある日、ジェードの相棒である少女・ルクランが、聖なる蝶が舞い上がってくることを知らせる〈予兆の鬼火〉に触れる事件が起きる。他の降魔士たちと違い、なぜか、〈予兆の鬼火〉に激しく反応してしまうルクランは、聖域を守る者のなかで波紋を呼んでいた。
自分がなぜ、そんな反応をするのかを知りたいと願うルクランと、ルクランを守りたいと思うジェード。
それぞれの思いをよそに、ふたりは壮大で複雑な運命の糸に絡め取られていく。
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著者/上橋菜穂子(うえはし・なほこ)
作家・川村学園女子大学名誉教授。
1989年に『精霊の木』で作家デビュー。野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞をダブル受賞した『精霊の守り人』を始めとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、『獣の奏者 1~4』、『獣の奏者 外伝 刹那』、本屋大賞と日本医療小説大賞を受賞した『鹿の王』、『香君』ほか著書多数。2009年に英語版『精霊の守り人』で米国図書館協会バチェルダー賞を受賞。2014年に「児童文学のノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞。2020年に英語版『獣の奏者』で米国図書館協会マイケル・L・プリンツ賞オナー、バチェルダー賞オナーに選出。2023年に「守り人」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。2024年に菊池寛賞を受賞。
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おすすめコメント
1999年から2001年にかけて、上橋菜穂子の代表作である『守り人』シリーズの創作と並行して執筆され、雑誌連載の形で発表されたこの物語は、のちの『獣の奏者』、『鹿の王』、そして『香君』にもつながる、作者の創作の軌跡を知ることができる貴重な作品でありながら、これまで書籍化されていませんでした。
この物語は、人と人との関係だけでなく、人間と他の命ある存在との繊細で複雑なつながりを描きたいという著者の想いから生まれました。
執筆から二十年以上の時を経て、円熟の域に達した著者の手で加筆修正され、力強くも美しい物語へと成長した物語が、ついに世界へと解き放たれます。
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065416518 |
| 本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
| ページ数 | 285 |
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NetGalley会員レビュー
図書館関係者 601014
わりと知っている世界観、と思ったらずいぶん前に書かれた本なんですね。
生き物にとってたとえ相手が天敵だろうとその存在自体を悪とは呼べないということなど、
食物連鎖などがあってこそ成り立つ生物界の業を考えさせられました。
私の想像力では描き切れない世界でもあるので、
(実写は難しいだろうから)アニメとかで具現化してほしいです。
ラムラーの実、食べてみたい。
図書館関係者 1920058
この物語が出版されることになって、本当にありがたく思います。「あとがき」に書かれていた出版までのあれこれも、非常に興味深く読みました。雑誌『子どもプラス』を見つけ出してくださった編集の方々、ありがとうございます。
飲食を忘れて一気読みをしたのも久しぶりです。
上橋菜穂子さんらしい、どこにもない誰も知らない世界で語られる物語。読んでいるとあっという間に、知らない文化や暮らしの中に放り込まれます。語られる食べ物の美味しそうなところも期待通り。国の成り立ちに関わる(人間も含めた)生き物の在り方。宗教的崇拝の在り方は、政治や地域格差、階級や生活にも影響を及ぼし、相変わらずスケールの大きい話です。主人公である少年少女が翻弄される中、年長の男女が寄り添って、最後には救いも。それにしても、描かれる植物の荒々しいまでの生命力や、幻想的な蝶の視点で俯瞰される世界と、推測される歴史に圧倒されます。宗教上、極めて重要である「永久の祈り」と庶民の「呪い歌」が、同じ内容を表していることを、言語の違いで気づかないようになっていたり、最後まで読んで「なるほど」ともう一度読みたくなります。
単巻なので、あっと言う間に読み終えましたが、満足感は高いです。
この作品から「獣の操者」や「鹿の王」「香君」へと続いていく流れは、とても自然で、これらの作品をまた読み直したくなりました。
図書館関係者 1681502
上橋先生!書籍化して下さり、ありがとうございます!
私はジェードとルクランに会えて良かった!!
読み始めから聖なる蝶を守る「降魔士」という役目にドキドキし、主人公のジェードと相棒のルクランのお互いを想う気持ちが恋愛ではなく、バディ愛なのに痺れました。
世界の均衡が崩れ始める不穏な空気が漂う中で生きているもの達の強さ、生命そのものが持つ力を感じました。
一気読み必至です。
図書館関係者 841977
人は、自分の見たいものを見、自分の都合のいいように解釈する。何も知らないままに人々が守って来たことさえ折り込み済みのような聖域の真実に、この世界の壮大さを思い知らされるような気がしました。改めて、大いなる自然の一部として生かされていること、またそのことには大きな責任が伴うことを実感させられました。運命に翻弄されるばかりのルクランとジェードでしたが、真実を知った降魔士たちが担っていくこれからの未来に思いを馳せる結末でした。
図書館関係者 546150
ものすごく、よかった。
ちょうど今、読んでよむことができてよかった。
読む年代によって、見えてくるものが異なってくる本がある。
そのときの自分の視座を鏡のように映してくれる本。
これはそういう本だ。
他界してゆく親をみおくっている今の私には、身の内から湧き出てくる抗いきれないものに押し流されるように、自分を失っていくルクランの恐怖がリアルに響く。物語の中の神官たちの在り方は、硬直化しているとしか思えない今の終末期の医療の在り方にも重なって見える。
ルクランの惨い孤独は、様々な理由から面会さえゆるしてもらえない今の日本の高齢者医療と重なるし、その惨さをどうにもできない無力や恐怖はジェードと重なる。
生物が多様な形で繋がるように、社会の仕組みも多様な形で繋がっている。
絡めとられて苦しむけれど、自分を失わずに生きていきたいと思う。
その思いを新たにしてくれる本だった。
書店関係者 412917
単行本化ありがとうございます!!!!!
『香君』の原点的な物語を読むことができてもう最高です!!
単行本にならないまま世に知られずにいるのには、あまりにも惜しい作品だったと思います。
この本の出版に携ってくださった方々にあらためて感謝を!