極彩色の食卓

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刊行日 2019/06/22 | 掲載終了日 2022/10/16

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内容紹介

料理上手の青年と、生活能力ゼロの元天才女流画家のお婆ちゃん。

過去持ち二人の秘密と食事の物語。

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夢に挫折し、今を無気力に生きる美大学生の青年は、かつて一世を風靡した元天才女流画家のお婆ちゃんに拾われ、生活の面倒を見てもらうことに。

引き替えとなる条件は、美味しいご飯を作ること。

自分自身の過去や絵で挫けた事実を隠したい彼は、言われるがままに美味しい食事を作り、彼女と一緒に暮らしはじめます。

でもそんな彼女にも隠している過去と秘密が……。


☆☆料理コラムニスト、山本ゆり、絶賛!☆☆

とても面白かったです。

小説なのにほんとに色が綺麗。五感で読むってまさにだなあと。

油絵のざらざらの質感、燕の料理の匂い、全部リアルに感じまして、きれいな映画を観たような幸せな気持ちになりました。

主人公と律子さんのお互いを必要としながらも縛らない、相手を尊重する関係性、料理と絵によって少しずつ距離を詰めていくところ、それぞれに抱えているものが絵と料理によってほどけていくところ、料理も結局絵なんだな、燕も結局はずっと絵を描いていたんだなと気づいたり、お皿の上に作品を作るという部分が楽しくて自分もやっている部分があるんだろうなと改めて気が付いたり。

春から始まり春に終わる、季節のうつろいと旬の料理、絵の色彩の変化も面白くて。

最後ツバメの絵がどんどん季節を飛び越えて成長していく描写では思わず泣いてしまいました。

展開はわかっていたとはいえ、読みながら律子さんの筆がほんとに目の前で走っていくように見えて鳥肌が立ちました。

(料理コラムニスト 山本ゆり)

料理上手の青年と、生活能力ゼロの元天才女流画家のお婆ちゃん。

過去持ち二人の秘密と食事の物語。

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夢に挫折し、今を無気力に生きる美大学生の青年は、かつて一世を風靡した元天才女流画家のお婆ちゃんに拾われ、生活の面倒を見てもらうことに。

引き替えとなる条件は、美味しいご飯を作ること。

自分自身の過去や絵で挫けた事実を隠したい彼は、言われるがままに...


出版社からの備考・コメント

校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が異なる場合があります。ご了承ください。

校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が異なる場合があります。ご了承ください。


おすすめコメント

無気力な青年が、偶然出会った生活力ゼロのお婆ちゃんとの共同生活を送る中で、もう一度生きる力を取り戻していく王道で入りやすい文芸小説です。

お婆ちゃんが実は天才女流画家、青年も美大生と「絵」にまつわるエピソードで接点があり、共同生活の中で判明していくお互いの秘密がラストに向けて気持ち良く繋がっていきます。

一番の売りは、繊細な青年とお婆ちゃんの心情に合わせたかのような色彩表現が素晴らしく、そして何より食卓風景が幸せなことです。

色をテーマに、目に浮かぶような鮮やかな食べ物が登場して、読者の胃に語りかけます。

全体的に極彩色の情景が目に浮かび、心が豊かに暖かくなる読後感です。

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◎シャツの似合う美大生のイケメンとチャーミングな年配の女性との心の交流のお話です。

◎「ご飯」+「年の差の心の交流」+「美術テイスト」がイメージです。

◎美大生の男子と年上の女性との奇妙な共同生活で、美味しそうな食事が数多く出てきます。

◎「小説家になろう」投稿作品です。

ぜひ、刊行前にご一読ください!

無気力な青年が、偶然出会った生活力ゼロのお婆ちゃんとの共同生活を送る中で、もう一度生きる力を取り戻していく王道で入りやすい文芸小説です。

お婆ちゃんが実は天才女流画家、青年も美大生と「絵」にまつわるエピソードで接点があり、共同生活の中で判明していくお互いの秘密がラストに向けて気持ち良く繋がっていきます。

一番の売りは、繊細な青年とお婆ちゃんの心情に合わせたかのような色彩表現が素晴らしく、そして何より食...


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784896378900
本体価格 ¥700 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

燕は繊細で生真面目で意地っ張りで愛らしい。19かそこらの男の子なのに、律子に食事を作ってあげる様子はまるで保護者のようだ。食いしん坊の律子のはしゃぎようの可愛らしいこと。そんなほのぼのとした暮らしの中、二人とも絵を描くことが生活の全てだったから苦しんでいた。大好きなことが辛い思い出になった時、人は一人では立ち直れないのかもしれない。人に傷つき人を求める。相手を気遣う余裕が生まれた時に自身の癒しも始まる。

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壁にぶつかって現実から逃げだした美大生の青年と
突然画壇から姿を消した天才画家のお婆ちゃん。
お婆ちゃんが青年を自宅に住まわせ青年は料理をつくり日々を過ごす。
それぞれが過去に向き合い『色』を取り戻していく過程が鮮やかに描かれる。

たくさんの 『色』と『香』がちりばめられていました

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芸術の道に挫折した若く美しい男性と、伴侶を失い世間から姿を消した世界的画家として名を馳せる老婦人。
男とか女とかを抜きにして、人間として求め合う。慰め合うのではなく、足りないものを補い合って前に進む、暖かい物語でした。
絵ではなく、食について語り合う二人。「食事=生きること」にも通じるように、丁寧に描かれた食卓がとても美しく感じました。

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燕くんは、絵を描くことに自信を無くしてしまいました。何をする気にもならず、通っていた美大へも行かなくなり、付き合っている女性の家を転々とする生活をしていました。

 そんな彼を不思議な女性「律子さん」が拾ってくれました。家には部屋がたくさんあるから、そこに住めばいい。そのかわりにご飯を作って欲しいと言われたのです。

 律子さんは、かつて有名な画家でした。でも今は世間に出ることはなく、家の中で絵を描いてばかりでした。

 燕くんは家事能力ゼロの律子さんの為に食事を作りました。最初は変な人だなぁって思っていたけれど、話をするほどに律子さんの不思議な魅力に惹かれていきます。料理は全くできないけれど、料理に対するアイデアとか、色へのこだわりは只者ではないと思えたのです。

 燕くんは両親の期待に応えようとして、その重さにつぶされていたのですね。それをどう訴えていいのか、どう向き合えばいいのか、分からないままに逃げていたのですけど、律子さんと暮らすうちに、少しずつ心が柔らかくなってきたんです。

 それにしても燕くんが作るお料理のおいしそうなこと!!お料理の腕というよりも、センスがいいって感じがしました。その日の天気、気分、使える食材。そういうファクターを料理という作品にしてしまうところが素敵だなぁ。

 意外な人との出会いが、自分を見つめなおすきっかけになったのでしょうね。彼の将来がとても楽しみです。

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色だけではなく、温度、匂いまで漂ってくる作品。
絵を志した青年が挫折し、突然表舞台から姿を消した天才画家と出会い再生を果たす物語です。
居候のような形で天才画家を間近に見ながら挫折した自分と向き合う時には必ず美味しそうな
料理が側にあります。食材からではなく色から料理が導きかれていく様は彩深く、温かさ、匂い
まで伝わってくるようです。
なにかおいしいもの探しに行こう~。

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心に傷を抱えた高名な画家、繊細で自分に自信を持てない美大生。
同居生活で二人の気持ちがゆらぎ、交錯しはじめる。
このゆらゆらすすむ時間の流れがとても心地よい。
その柔らかさにくるまれ、知らず、心に刺さっていたトゲが溶けていくようだ。

中でも、律子さんのオムライスを燕くんがドリアにリメイクするエピソードが大好き。
マジで泣き出すところだった。
私たちの身の回りは、こんなにも色が溢れているんだ、と、改めて気づかされる。
たくさんの、見ているようで認識できていない「色」たち。
走りっぱなしではなく、立ち止まったからこそ見えるものもあるんだろうと思った。

文章が軽快で読みやすく、とにかくテンポよく読み進めることができ、本当に一気読みしてしまった。
多くの、食べることが大好きな人たちに、ぜひ読んでいただきたい作品。

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とても彩りが溢れた描写で、五感に響き渡る本!

絵を描くことをあきらめた青年・燕と、絵描きの年配の女性・律子。
ひょんなことから彼女に拾われ、ヒモ生活をする燕。

料理上手な燕の作る食事には彩りが溢れていてとてもおいしそうだった上に、作る描写もとても豊かで
いいにおいが漂ってきそうな感じがしました。季節の食材を使い、いろんな色を載せていく料理、まさに燕君の絵のようでした。

律子の「四季の部屋」にも入ってみたいなあと思いました。部屋中が絵になっているなんてなんて素敵!

年配の女性と美大生の青年の二人暮らし、どんな感じになるのかと思ったけれど、「希望」と「愛」に溢れていました。

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文字から伝わる色が、とても鮮やかな物語。登場人物たちが描き出す絵と料理がとても印象的で、読後は見るもの全てがキラキラして見えます。将来に、自分に、悩んでる人の心に優しく沁みる一冊。

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挫折を味わったり、大切な人を失ったり、誰もがいろいろなものを抱えて生きている。だからこそ、人は自分のなかに様々な色を持つ。
絵を描けなくなった燕が、お腹を空かせた律子さんのために作る、色彩豊かな綺麗で美味しい料理。描けなくても色をなくしたわけじゃない。それはちゃんと彼のなかにあった。
彼が作った料理を無邪気に喜んで食べる律子さんが可愛らしかった。
(燕のその後の話をもう少し読んでみたかったです。)

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それぞれの喪失や挫折を抱えた2人が共鳴し合うように惹かれ、一緒に暮らすうちにお互いを補完し合い、前に進む力が生まれる。冒頭は寂しいグレーがかった世界だった物語に、絵が描かれ、料理が作られていくことで色彩が生まれ、ページを捲るごとにその色彩が増え、温度や匂いすら感じるようになってゆきました。湯気まで見えてくるようでした。読み進める毎に作品の温度もグングン上がってきて、食欲も刺激されて、お腹が空いて仕方がなかったです。絵を描くことと、料理を作ることは確かに通じるものがありますね。2人それぞれの再始動に、春という季節がぴったりだと思いました。

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とても魅力的な画家と一緒に過ごすことで、色彩の素晴らしさを感じ、挫折した絵に再度向き合えるようになる青年。面白かったですが、画家が年齢設定の割に若すぎる感じがしました。
美味しさは味覚より視覚の影響を受けるとつい最近テレビで見ましたが、まさにそれを感じさせるお話で、自分も料理をしたくなりました。

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我々テレビマンはグルメ番組で「料理」を扱う時、「映像」と「音」でその味や香りを伝えることに努力する。この小説のアプロチーもそれに近い。ただ「言葉」を紡ぐだけで料理を感じさせられる分、テレビより優れているかも知れないと敗北感を感じた。

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2人の孤独が奏でる色彩のブルース

料理は絵であり音楽である。
人物画を描けなくなり黄色の色彩が抜けた世界的画家の竹林律子。画家の道をドロップアウトして律子の家に居候として住み、色彩鮮やかな料理を振る舞う大学生の大島燕。親子の差も歳の離れた2人の物語が過去でシンクロし、お互いの欠けた色がそれぞれ見えたキャンバスを染めていく。その時に見えた景色とは?
人は生きている限り前を向く。嫌でも向かざるおえない。向き合えば鏡に写る自分の不恰好に気付きさらに傷つく。しかし過去の傷や孤独の時間は一生ではない。前を見れば色彩豊かな自然がある。
季節の料理に花の描写、色、匂いや音色。五感すべてを使いこの本を読みました。本書から伝わるアーティスト感覚の独特なリズムを楽しみながら、「今日ふきのとうの天ぷら食べたいなあー」
そんなことを考え最後まで読みきりました。

本が好き!倶楽部
せいちゃん

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両親の期待だけを映し生きてきて挫折した美術青年と、過去を抱えた老齢の女性画家。
背負った傷で引きあった2人が、だからこそお互いに癒され、生きる力を取り戻していく。そんなやさしいお話です。
2人のあいだにあるのは「絵」、そして「料理」。
「ゆっくりと時間をかけて」つくる、「向かいあって」食べる。
2人がみつけた、ごはんをより美味しくいただくためのコツは、そのまま、わたしたちの毎日を豊かにすることにもあてはまる。そう思いました。

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食事と絵、色ある日常で、
2人は葛藤と悩みを抱えて生きているー。
木漏れ日のような暖かさで人間関係を描いた、
ナチュラル飯テロストーリー。
とりあえず、美味しいフレンチトーストが食べたくなりました。

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絵が描けなくなり、美大を休学した燕はヒモ生活をしていた。ある夏の日暮れ、年配の絵描きの女性・律子に拾われる。
これまでは長くても1ヶ月程度で女の家を渡り歩いていたが、律子とは1ヶ月経っても暮らしていた。燕は絵のモデルになりつつ、季節の食材を使い色彩豊かな料理を作る。
2人の共同生活の中で、お互いが前に進み始める。

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絵を描けなくなり無気力に生きる美大生の燕と家事能力に欠けるかつて天才画家といわれた老女の律子。

偶然の出会いから料理の腕を見込まれ、
燕は律子の居候となる。
二人は絵と料理を通して交流しながら、それぞれの秘密に向き合っていく。

鮮やかな色彩あふれる絵画描写と美味しそうな食事風景に心があたたまる。

二人がそれぞれ自分と向き合い、心の傷を克服したあとのラストが爽やかな一冊。

個人的には、子どものように無邪気なのに年相応の思慮深さと母性を感じさせる律子が魅力的だと感じた。

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料理と季節と色彩と。そして愛情のお話。

休学中の美大生と、かつて天才と称された女性画家。
共通するのは「絵を描くことを手放した」こと。

「絵」が全てだったのに、描けなくなった。


そんな彼らが、ひょんなことから生活を共にし、料理を通じ、季節を経て、再び「絵」と向き合っていく。


正直これだけの作品が、未だ出版されていなかったという事に驚きました。
愛情については、恋慕より思慕なのかもしれませんが、
読み終えた時に「ああ、この関係は素敵なものだな」と思うことができると思います。

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モノクロのページの間から豊かな色彩が洪水になって流れこんできた。
まるでアトリエ、その場にいるように。
絵画を眺めているような不思議な読書体験だった。

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おいしいご飯が出てくる本は数多くあり、さらに匂いや温かさを感じるものもあるが、この本のように色彩まで鮮やかに頭に浮かぶものは初めてでした。
イメージとしてはハウルの動く城の色彩感。
絵画と食事といった一見かけ離れているものがこんなにも結びつくなんて・・・。

幸せなお話でした。

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何も無いモノクロな燕の人生に沢山の色彩が彩られていく様子が鮮やかで、目の前に色の洪水が飛び込んでくるようでした。
出てくる料理も匂い立つ描写で本当に美味しそうです。
心が満腹に満たされる物語でした。

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絵を描くことを人生に捧げててきたにも関わらず
絵が描けなくなった高齢の天才女流画家と美大生の青年が、
食卓を二人で囲むことで孤独を癒し少しづつ前を向いて歩きだそうとする物語。

季節ごとの色鮮やかな料理と共に描かれた心の交流は、
ひやりとする場面もあるが、最後は読んでいて暖かい気持ちになった。

読んでいてこんなにも、温度と色を感じる小説は初めてだったように思う。

色彩豊かな文章がとてもきれいでおいしそうで、
それだけでも読む価値がある小説でした。

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超イケメンで絵の才能に絶望し、美大を休学して、ヒモ生活をしている燕。一方天才的才能を持ちながら、人物画が描けなくなった60歳の女流画家、律子。それぞれの背景に屈折した過去があり、二人は徐々に距離を縮め、互いの孤独をほどいていく。年の差40近く、恋愛?師弟愛?互いの絵に惹かれ、人間としても魅力を感じている。燕が親の望む自分になるという呪いから解けたのは良かった。親は子供に自分の理想を押し付けてはダメ。

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夢に挫折し、無気力に生きる美大生の燕と元天才女流画家の竹林律子。行き場のない燕の生活の面倒をみる代わりの条件は、美味しいご飯を作ること。天才画家だけあって、律子は食べ物にも色に拘るあたりが面白い。読んでいるとその場面を色で想像してしまう。実は燕だけでなく律子にも隠している過去と秘密あって人生が停滞中だったので、2人が出会ったのはお互いにとって必然だったんだろうなと思わせる展開。アート好きの食いしん坊なので、なかなか楽しく読めました。丹地陽子さんの鮮やかでイケメンな装画が素敵。 #NetGalleyJP

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口に入れるもの、目にうつるもの、耳に聞こえるもの、鼻をくすぐるものが、すべて心の滋養となって、2人の画家が再生していく。
食卓に並べられる料理の色彩の美しさ、四季を彩る部屋の美しさなど、挿絵はないのに目に浮かぶような、視覚の想像が存分に刺激された。

一年間のゆっくりとめぐる時間と人々の変化という物語の筋もとてもいい。
何かを描きたしながら、人生は深まっていく。一度ついてしまったものは、消したくても消すことはできない。
痕跡をいかしながら、より美しく色を重ね、絵を複雑にしていくことなら、できるかもしれない。
そんな希望に、心がとても満たされた。

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文章の端々から色が溢れてくるような気持ちになりました。目の前に次々に現れる鮮やかな色がとても美しく、だからこそ律子さんと燕君の苦しみもがく姿が浮き彫りになるのではないかと思います。
少しずつ秘密が明かされ、2人が立ち直ってゆく姿をハラハラと気を揉みながら読みました。そこに寄り添っている色と、色から伝わる温度がとてもダイレクトに伝わってくるようで、感情の上がり下がりが苦しくもありました。
あと、色彩と同じように魅力的なのはお料理!調理過程から色彩豊かでとにかく美味しそう。温かいものでお腹を満たして元気になる、という単純で基本的なことがとても大切なのだなと実感する描写で律子さんと一緒に幸せな気持ちになりました。
夜中に読むと結構な飯テロになり、辛いので要注意です。

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料理上手の青年(イケメンらしい)×生活能力ゼロの元天才女流画家の老女。
「好きなだけ泊まっていくといいわ。お家賃は結構。食事を作ってくれたら嬉しい。あと、あなたの絵も描かせてほしい」ドキドキ。料理上手のイケメンがその辺に落ちていたら我が家にも一人ほしいところである。大島ツバメ!と家主、何やら、絵の創作にヒミツがあるモヨウで興味を引く。この秘密が色彩豊かで味も抜群の食事とともに、じょじょに明らかになっていく過程が面白かった。

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絵が描けなくなった美大生の燕は、休学しヒモのような暮らしをしていた。女に追い出されたある日、今はもう引退したはずの世界的に有名な女性画家竹林律子に出会い、絵のモデルとなり、食事を作ることで彼女のアトリエ兼住居に居候することになるが...。

見慣れたはずの食材やお料理がたくさんの色で彩られていると感じたことは生まれて初めて。
私たちはこんなにも鮮やかで美しい世界に生きている...!
読み終わった目に映るのは、まさに極彩色の世界でした。

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カラフルなのに、ずっと切なさが漂う作品でした。確かに料理の美しさや、律子さんのチャーミングなキャラクターは魅力的です。でも燕くんだけでなく、律子さんにも秘密があって、それらが切なさを醸し出しているようでした。2人の秘密が明らかになった後、料理は匂いまで感じられました。色だけではなく、匂いや温度まで伝わってきたのは、幸せを感じられたからかもしれません。とても素敵な作品でした。

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食モノ系の作品かと思ってリクエストを出しましたが、いざ読んでみるといい意味で予想を裏切られる作品でした。
食事も要素の一つではありましたが、むしろタイトルの色彩がテーマの大きい方で美術界隈が舞台に選ばれてます。
美術学校で挫折し、休学することになってしまった主人公の燕が、著名な美術家である律子さんに拾われて同居することになる。という序盤の展開に若干はてなマークは浮かびましたが、中盤を超えたあたりから二人の抱えている秘密を少しずつ解き明かしていく流れに惹き込まれました。
ちょっぴり年の差が大きい二人ですが、この先も幸せに暮らしていって欲しいと思えました。
とりあえずまぁ律子さんは察してくれないと思うので、燕くんは頑張らないといけないですね。
あと終盤で、柏木さんがちょっぴり好きになれたかもしれません。

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挫折して美大を休学し、拾ってくれる女の家を泊まり歩く燕。次に燕を拾ったのは最近は表舞台に出てこない天才有名画家の老女だった。還暦超えのおばあちゃんとの2人暮らしというのはなかなかない組み合わせで興味深かった。これでもかというほどキーになる料理が出てくる。

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最初の印象はカバー絵と違いギスギス、トゲトゲした感じで嫌だなぁと思いつつ読んでいきました
読み進めるにつれてその印象は次第に薄くなっていき、先が楽しみになっていきました。
二人の関係、謎の男と気になる事が増えていくにつれて温かい、明るい印象になりました
読み終えたあとはすっかり良い気分です

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絵が描けなくなった美大生の燕。ある日出会った有名画家とともに暮らすうちに、だんだん自分を取り戻していく。「料理は絵」と書かれているが、本書に登場する燕の作る料理はどれもこれも美味しそう。その料理が映像として見えてくる画集のような物語。

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自分の生き方に自信を持って生きてほしい。逃げてもいい。回り道をしてもいい。休んでいい。何もしない時があってもいい。自分の道を自分で断つことがなければそれでいい。再び歩き出せるその時まで羽を休めればいい。そう思わせてくれた。

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芸術の道に挫折した燕くんと、伴侶を失い世間から姿を消した世界的画家として名を馳せる律子さん、
食事=生きること丁とても美しく感じました。
色だけではなく、温度、匂いまで漂ってくる作品。
五感に響き渡る本!
作る描写も、ニオイまで感じるようでとても良かったです。
豊富な季節の食材を使い、いろんな色を載せていく料理、絵のようでした。律子さんの鮮やかな「四季の部屋」にも入ってみたいなあと思いました。部屋中が絵になっているなんてなんて素敵です
こんなにも、色から料理が描かれる作品は本当に素晴らしかったです。#極彩色の食卓 #NetGalleyJP

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色彩豊かで鮮やかな描写の食事は本当に美味しそうだった。燕君の心が食事を作ることと律子さんと一緒に生活していく中で少しずつ変わっていく過程と季節の移り変わりが二重写しに見える感じが素敵なお話でした。誰かの為に作る食事っていいよね。燕君の両親についてはあれだけど、律子さんと出会えてまた絵が描けるようになってよかった。大人げなく燕君に嫉妬する柏木さん、最初は苦手だったけど、意外とかわいく見えてきて最終的に結構お気に入り。あと友人思いの田中君は出番が少ないながらも美味しいところを持っていったなあ。燕君の律子さんへの感情は尊敬?でいいんだよね?律子さんとほ約40離れてるのにまるで恋愛感情を抱いているかのようで柏木さんへのあの敵対心にはちょっと違和感。以下タイトルについて。極彩色、という単語の意味を派手とかけばけばしいとかそういうあまりいい意味ではない方に捉えていたからタイトルに違和感があったのだけどどうやら日本画の技法にあるらしく(精選版 日本国語大辞典より)『日本画の技法の一つ。濃厚な絵の具を用い、何回も重ね塗りすること。』とあるからまあ分からなくもないかな?というところ。それでもやっぱり少し内容とあってない気がしました。

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食べ物の出てくる小説が好きでよく読みます。今回の作品は家庭でも真似出来そうなものばかりで参考にしながら楽しく読みました。また、絵画の美術展にもよく出掛けている為、極彩色の油絵を想像しながらの読書は普段の読書とは一味違う楽しいひと時となりました。冒頭は淡々とした文体に感じ幾分か物足りなさを感じましたが、物語が進むにつれ主人公が心を開き始め、自分を見つめ出した辺りから徐々に文体にも感情が感じられるように感じ共感しながら読み終えました。作者の他の作品も読んでみたいと思いました。次回作も楽しみにしております。

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普段の生活で、食事をここまで「色」で意識することがなかったので、食事に対しての考え方が広がった。家族でもなく友達でもない、だからこそ救われることがある関係性も良い。読み終わったあとは前向きになれる小説。

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「山本ゆり、絶賛!」の帯に、「読みたい!」と思った。

何か事情を抱えて、無気力な美大生が、かつての天才女流画家のおばあちゃん・律子に拾われる。その学生の名前が燕(ツバメ)って、一体どんな話?と思った。が、そんな怪しい話ではなかった。読むうちに、律子にも何らかの事情があるのがちらちらと見え始める。
各章が短く、そこに美しい色と美味しそうな料理がちりばめられるので、読みやすかった。

3年後を描く続編も良かったので、シリーズ3を是非!

#極彩色の食卓 #NetGalleyJP

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『極彩色の食卓 カルテットキッチン』を先に読んでしまったが、本作に対して興がそがれることはなかった。
むしろ、律子と燕の出会いをカットバックで読んでいるようで、この順で読んでも面白かった。絵画と料理という組み合わせは相性がいいのだろう。色彩の鮮やかなイメージが強烈に浮かんでくる。更に料理に至っては食欲を刺激する匂い、いや香りを感じるようだ。と、書いて『カルテットキッチン』の自分の感想を読み返したら、全く同じことが書いてあるではないか。色と香りがよほど強烈に印象に残ったということだろう。しかし、本作はそれだけではない。律子と燕が互いにかけたところを補い合う関係性の面白さや欠落からの再生など、それだけを突き詰めていくとかなりハードな物語になっていく内容を、色や香りで包み込むことでソフトな仕上がりにしている。ソフトであるがゆえに深さを感じるところに作者の筆力を感じる。

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帯の山本ゆりさんに惹かれて読んでみました。
正直、表紙を見た感じでライトノベル感が強いのかなと思っていましたが、すごく素敵なお話でした。

色を見て、料理をするということが今までなく、新鮮な感じがしました。

夕陽が綺麗な日だったから
夕陽色のナポリタンを食べるとか。
雪の積もった日には真っ白な
クリームシチューを食べるとか。

冬至にかぼちゃを食べるとか
そういう風習じゃなくて、
こういうのもいいな〜、
やってみたいなと感じるものがたくさんでした。

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料理を色合いで考えたことがなかったので
律子さんが燕に食事を頼む時に
色でオーダーするのは
とても斬新でした。

意外と料理法も書いてあるので
書いてある昭和のナポリタンは
思わず作りました。

確かに昭和の子どもの時に
食べた味がしました。

これからはもう少し
色合いを考えて料理をしようかな。

燕が今後どうなっていくのか
楽しみです。

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律子さんは天才女流画家のおばあちゃんと紹介されてますが、全然そんな事はないです。不思議な大人の女性でした。

彩りの良い食事は意識すると美味しいのは感じていますが、ここまで色を意識して料理を作ったことはないな。
料理を絵としてとらえてるところも律子さんならではなのでしょうか。


#極彩色の食卓
#NetGalleyJP

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自分の才能を信じられない美大生と、天才といわれる年老いた画家の物語。食事を作ることと絵を描くこと、自分を認めること、人を受け入れること、そのあたりがテーどうもマなのかな?とは思うし、読みやすい。が、各章のタイトルが最近のライトノベルのタイトルのを意識したかのようで好みではありませんでした。

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1年以上前にWishに応募させていただき、先日当選のご連絡をいただきました。
当時、2巻(極彩色の食卓 カルテットキッチン)のリクエストをご承認いただけましたので、1巻から読ませていただければと応募いたしましたが、残念ながら当選できませんでした。
既にこの作品も発売されていましたので、紙書籍を購入して読ませていただいてから2巻を読みました。
とても美しい時間の流れる作品だと感じました。3巻の発売があれば、ぜひ読ませていただきたいです。

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料理は目で食べるとも言われるように、この本に出てくる料理はとても色が印象的でした。2人が料理や絵を通して分かり合い、失ったものをゆっくりと取り戻してゆく様子が良かったです。主人公の大学の友だちがいいキャラクターで、ホッとします。

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綺麗で優しく弱いようで強い。そしてなによりもあたたかな物語。
この作品はとても優しくあたたかい。
自分の夢を諦め別の道を進んだ人、今まさに夢を叶える途中でもがき苦しんでいる人、なんらかの形で自らの世界が180度変わってしまうような挫折を経験した人…乗り越えた人、乗り越えてる途中の人、乗り越えることすら諦めてしまった人など、この世は常に複雑な感情や状況が入り混じっている。
嫉妬や羨望、絶望や悲しみ苦しみ。
色んなことが世の中ある。

私はこの作品を通して色の優しさや綺麗な風景に会いたくなった。沢山の優しい色に会いたくなった。誰かの傍にいるためだけに作る食事、自分を支えるだけに描き続ける彩る世界。絵を諦めたくて諦められない青年と色彩の神様のようで何かを胸に秘めて生き続ける画家。一人では乗り越えられなかった共通の「孤独」という名の世界から彼らがであって互いを必要とし合ったのは必然だったのではないだろうか。

いつもニコニコ笑っている人が悲しみを胸に抱いていないわけではない。好きなように生きているように見えていても心は苦しみで雁字搦めにされて動けず蹲っている人も世の中にはたくさんいる。

みんな、もがきながら苦しみながら乗り越えようとあがいている。
「孤独」の共有は、難しい。下手をしたら共依存になるからだ。しかしこの二人は互いに強く線引をしていた。「これ以上は立ち入ってくれるな」と。そんな中で共有しながらも勇気を出してその線を踏み込む事を選びつつも共依存のようにならずにそれぞれが自分の壁と向き合い立ち上がる戦友となれたことがとても凄いことなのではないかと感じる。

春の部屋、秋の部屋、夏の部屋、そして冬の部屋。彼らはこれから部屋を飛び出し本当の季節のたくさんの景色に触れていくのだろう。互いのことを思い美味しい食事や素敵な彩りを見つけ、生きていける力を少しずつ 少しずつ養いながら進んでいくのだろう。大きく強く楽しそうに踊りながら彼らが鮮やかな世界で素敵なものを食べながらこれからの世界を乗り越えて行ってくれたらこんなに嬉しいことはない。

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