ヤングケアラーってなんだろう

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刊行日 2022/05/09 | 掲載終了日 2022/06/08

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内容紹介

家族の世話や家事を担う子どもたち「ヤングケアラー」。

その実態と支援の取り組みを、国会の調査会にも出席する第一人者がわかりやすくコンパクトに伝える


「ヤングケアラー」(家事や家族の世話などを行う18歳未満の子どもや若者)は、家庭内の問題としてこれまで表面化されてきませんでしたが、その深刻さから、今ようやく社会的認知の必要が叫ばれています。


本書は、早くからヤングケアラーに関する発信をリードし、国会の調査会にも出席する第一人者が、その実態と支援の現状をわかりやすくコンパクトにまとめた一冊。ヤングケアラー経験者による文章も収められています。


「……この本では、子どもがケアを担うことの背景には何があるのか、なぜ今になってヤングケアラーが注目されるようになったのか、自治体や国が行っているヤングケアラー実態調査から何がわかるか、ヤングケアラーはどんな体験をしているのか、ヤングケアラーの相談にのれるのはどんな人で、それがどんなサポートにつながるのかなどを、見ていきたいと思います。」

(「はじめに」より)

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【著者プロフィール】

澁谷 智子(しぶや・ともこ)

1974年生まれ。成蹊大学文学部現代社会学科教授。専門は社会学・比較文化研究。著書に『ヤングケアラー――介護を担う子ども・若者の現実』(中公新書)、『コーダの世界――手話の文化と声の文化』(医学書院)、編著に『ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護』(生活書院)、『女って大変。――働くことと生きることのワークライフバランス考』(医学書院)など。


【目次】

第1章 「ケアする人」のケアへの注目

今の制度ができあがった背景

「人口ボーナス」から「人口オーナス」へ

ケアを必要とする人は増えているのに人手は減っている

役割過多に陥る現代人

ひとり親家庭にのしかかるひずみ

軽んじられてきた「再生産」

見えてきた「ヤングケアラー」という問題


第2章 実態調査から見えてくること

家族の世話をしている中高生の割合

ケアをされているのは誰か

どんなケアを行っているのか

生活への影響

ケアについて話せる人がいなくて孤独を感じる

感情面の健康

周囲の人への相談や求められているサポート


第3章 ヤングケアラーが語る自身の経験

ごあいさつ

家族の紹介

いったいどちらがお母さん?

母のケア

幼少期から小学生まで

中学時代

高校時代

ショッピングセンター

最後に


第4章 ヤングケアラーをサポートする人たち

埼玉県での取り組み――ケアラー支援条例

スクールカウンセラー――気持ちを受けとめてくれる存在

スクールソーシャルワーカー――環境を整えるためのサポート

いかに連携を取るかという課題

家庭でのケアが必要な人をサポートする専門職

地域福祉に関わる人たち

子どもの権利


家族の世話や家事を担う子どもたち「ヤングケアラー」。

その実態と支援の取り組みを、国会の調査会にも出席する第一人者がわかりやすくコンパクトに伝える


「ヤングケアラー」(家事や家族の世話などを行う18歳未満の子どもや若者)は、家庭内の問題としてこれまで表面化されてきませんでしたが、その深刻さから、今ようやく社会的認知の必要が叫ばれています。


本書は、早くからヤングケアラーに関する発信をリードし、国会の調査...


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784480684240
本体価格 ¥760 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

「ヤングケアラー」という言葉とその実態を知るようになったのは、私にとってはそれほど昔ではなく、ここ数年のことだったと思っています。今、大人が担うべきその役割を、10代やそれに満たない子どもたちが請け負わざるを得ないような状況にあるような、そんな現象が問題になりつつあります。そして、ヤングケアラーである子どもたちとの関わり合いは、介護をしている大人への支援とはまた別の形での支援が必要なのだと考えさせられます。
また、本書の中では人口形態に関する解説も掲載されており、それを読む限り、ヤングケアラーの問題は、今後、少子高齢化が続く限り、我々が注視していかないといけない問題のように感じました。
今、職場が学校にあるということもあり、他人事では済まない問題でもあります。学校に限らず、この本は子どもたちと関わる全ての人に、読んでもらいたい本だと思いました。

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家族の看護や介護、見守りを行う必要があって、時に学生生活等に支障を来たすこともあるヤングケアラー。様々なケースが存在するが、周りに相談できず孤独を感じたり、助けを求める方法が分からず追い詰められる場合もある。当事者の体験談も交え理解を深められる一冊。

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「ヤングケアラー」の言葉、さらには実態について本書に出会うまでは全く知らなかった。少し調べてみると、その実態はニュースでも少しずつ取り上げられてきており、ようやく明るみに出たという印象である。しかしこの問題をどのようにして解決していくべきか、労働や介護、さらには教育などありとあらゆる面において考えなくてはならない問題だということもまた思い知らされた一冊である。

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最近しきりにヤングケアラーという言葉を聞きますが、まわりに該当する子がいないのでよく理解してませんでした。子どもの権利を守るためにも、助けを求められる環境、求めやすい環境の整備は必要だと感じます。まずはこのヤングケアラーたちの存在が広く認知されるために、店の書棚にこのテーマを増やす検討をしようと思いました。

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中学校の図書館に置いて欲しい一冊。

最近、ニュースや情報番組などでも取り上げられるようになった「ヤングケアラー」
私もラジオでその実態を調査している大学教授の話を聞いたことがあった。

この本では、ヤングケアラーという考え方が用いられらようになった経緯、ヤングケアラーのケア先進国であるイギリスの例や日本のある自治体での調査結果、実際にヤングケアラーであった人による手記など、具体例を章立てでわかりやすく解説してくれている。

学校司書という立場で直接的に知ることはないが、やはり家族のケアをしている生徒が少なからず存在していることは、感じている。
大人もヤングケアラーと同世代の人も読んでほしい。

一つお願いしたいのは、できれば漢字にルビを振ってほしいということ。
外国にルーツのある生徒も増え、そういった生徒の中には、会話は出来ても読み書きが苦手だという子も多い。
電子書籍ならば、読めなくてもその字や単語に検索をかけることができるが、紙の本は読み方が分からないと調べることも難しい。
だから中高生向けの本人には、できる限りルビを振ってほしいのだ。

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著者の活動はニュースや報道などでも目にしていたので、こうして、
#ちくまプリマー新書
という形で出版されることが意義あることだ。図書館ではYAの棚に並べてあることが多いので、中学生高校生、若い世代が手に取りやすい。そのような観点から書かれているので、わかりやすい。現状を分析する前に、時代背景、特に人口構造の変化から説き起こしているのが丁寧。この歴史的な構造によって、また昨今の少子高齢化も手伝って、ヤングケアラーが増えやすい社会構造があるということ。
中ほどで、ヤングケアラーだった人物のインタビューは誰の胸にも刺さることだろう。そんな言葉すらなかったから自分がそうだということに気づかなかった。お母さんに障害があるのはそこにある事実だったので、それがたり前だと思っていた。他の家庭と違うかもしれないということは、気づきにくいか、気付いてもその思いと一緒に生きることはとても難しい。
これは、本当にリアルに感じられる心理描写ではあるまいか。
普通と違うと思われるのが恥ずかしい、人に相談することもしたくない。どうせ誰も助けてくれるはずない。


余談だが昨日読了した「両手にトカレフ」(ブレイディみかこさんの新刊)と本当にかぶるところが多々あった。

末尾にあった自分自身ヤングケアラーだった看護師のチアキさんからのメッセージ。

ヤングケアラーのみなさんへ
いつも年れい以上の役割をしてくれてありがとう。 しんどい、こまった、わからない、もうイヤ・・・って気持ちになっていませんか? そういう気持ちになることは当たり前なんです。 大人の役割を引き受けることは大変です。むずかしいと思うけおわりにど、あなたの「しんどい」を大人の方にわたして下さい。 大人の力を使って下さい。子ども時間はあなたのものです。大人がするべきことは大人にまかせて、子ども時間を自分のために使ってください。

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やっと表に存在が知られるようになってきたヤングケアラー。
本人たちは気がついていないということが一番の問題。
大人のやれることは子どもたちの状況を知り、支援すること。
まだ気がついていないヤングケアラー達には当たり前の青春の日々を送ってもらいたい。
ヤングケアラー入門書。

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